- 介護求人 かいご畑
- かいごのお仕事コラム
- 小規模多機能型居宅介護とはどんな介護サービス?特徴や介護職の仕事内容、必要資格、給料を紹介!|かいごのお仕事コラム
公開日:
小規模多機能型居宅介護とはどんな介護サービス?特徴や介護職の仕事内容、必要資格、給料を紹介!
小規模多機能型居宅介護は、スキルアップをめざす介護職にとって学びの多い職場なのをご存じですか?
地域で暮らす利用者に、「通い」「訪問」「泊り」の3つのサービスを組み合わせて提供する小規模多機能型居宅介護。
介護職は、デイサービス(通い)と訪問介護事業所(訪問)、ショートステイ(泊り)の3つの介護現場のスキルが磨けます。
しかし、仕事内容が幅広いことから、「大変そう」「働きにくいのでは?」と心配する声も。
そこで今回は、小規模多機能型居宅介護の仕事内容をくわしく紹介!
必要な資格や給料、やりがいについてもお伝えしますので、小規模多機能型居宅介護の働き方が気になる介護職の方はぜひ参考にしてくださいね。
けあ子
ひよっこ介護士。
漢字が苦手。利用者の脳トレ用の漢字ドリルでこっそり練習している。
かいごろにゃん
介護業界に詳しく、けあ子のよき相談役。魚へんの漢字は全て覚えている。
小規模多機能型居宅介護とはどんなサービス?
まずは、小規模多機能型居宅介護とは、どんな介護サービスなのかをお伝えしましょう。
小規模多機能型居宅介護の特徴
小規模多機能型居宅介護では、1つの事業所で、
- 「通い」(デイサービス)
- 「訪問」(訪問介護事業所)
- 「泊り」(ショートステイ)
上記の3つのサービスを、24時間365日体制で提供します。
利用対象は、小規模多機能型居宅介護を行う事業所と同じ市町村に住む、要支援・要介護の認定を受けた方。
これまでは、在宅で介護を受ける場合、利用者は、デイサービスや訪問介護、ショートステイなどのサービスごとに別々の事業所と契約する必要がありました。しかし、小規模多機能型居宅介護なら、契約は1か所で済みます。
利用料金は定額制※で、利用者は、介護保険の自己負担額の限度を気にすることなく、「通い」「訪問」「泊り」の3つのサービスを自由に組み合わせて使うことができます。
利用回数は、小規模多機能型居宅介護の1日あたりの利用定員を超えない限り、制限はありません。
【小規模多機能型居宅介護の登録定員】
- 1事業所あたりの定員: 29名
- 「通い」の定員:登録定員の1/2~15名まで※一定の要件を満たす場合は最大18名まで
- 「泊り」の定員:登録定員の1/3~9名まで
少人数制のアットホームな雰囲気の中、慣れ親しんだ職員から必要に応じたケアを受けることができる小規模多機能型居宅介護。
在宅で介護を受けたい利用者の心強い味方と言えるでしょう。
小規模多機能型居宅介護とよく似た施設に看護小規模多機能型居宅介護があるよ。小規模多機能型居宅介護に、看護師などによる「訪問看護」のサービスが付いたもので、看多機(かんたき)と呼ばれるよ。
胃ろうなどの医療措置が必要な方のケアはもちろん、退院後の自宅での療養や看取りのサポートにも対応しているんだ。
看多機(かんたき)…医療ニーズが高い利用者向け
小多機(しょうたき)…主に日常生活のサポートが必要な利用者向け
という使い分けができるよ。
小規模多機能型居宅介護とデイサービス・訪問介護・ショートステイの違い
小規模多機能型居宅介護と一般的なデイサービス・訪問介護・ショートステイとの大きな違いは、いろんな介護サービスが一体化していることによる利用のしやすさでしょう。小規模多機能型居宅介護の「通い」は、一般的なデイサービスと違い、滞在時間は決まっていません。「午前中のみ」「昼食のみ」「日中ずっと」など、利用者の希望に合わせて滞在できます。
「訪問」は、24時間いつでも対応可能。訪問先で過ごす時間も、サービスの内容によって15~60分などまちまちです。
「泊り」は、一般的なショートステイでは事前の予約が必要ですが、小規模多機能型居宅介護は、定員に空きがあれば当日でもOK。
「午前中はヘルパーに通院に付き添ってもらい、午後からは施設で昼食と入浴。ご家族から帰宅が遅くなると連絡があったため、そのまま宿泊」などの柔軟な対応が可能です。
どのサービスも同じ顔触れの介護職が対応するので、利用者にとっては馴染みやすいですし、利用の連絡や手続きもスムーズです。
在宅介護を支える小規模多機能型居宅介護のニーズは拡大中!
「介護が必要になっても住み慣れた自宅や地域で暮らし続けたい」との声を受けて、2006年にスタートした小規模多機能型居宅介護。厚生労働省の調査によると、小規模多機能型居宅介護を行う介護施設(小規模多機能型居宅介護事業所や小規模多機能ホーム)は、2020年時点で全国に5千件以上。利用者数は約11万人に上ります。
施設数・利用者数ともに増えているにもかかわらず、小規模多機能型居宅介護で働く介護職は不足傾向。
実際、小規模多機能型居宅介護を行う事業所の50.5%が、「職員が足りていない」と感じているという調査結果もあります。
在宅介護のニーズが高まり続ける中、不足する介護職の確保のため、採用活動が活発になると予想されます。
小規模多機能型居宅介護は、好条件の求人が選べる・採用されやすいなど、介護業界で転職希望の方にとっては有利な状況が期待できそうです。
なるほど~。小多機が何なのか、やっと少しわかってきたわ。24時間対応の介護サービスが地域にあれば、ケアが必要なときにすぐ対応してもらえて、安心して自宅で暮らせるわね。
小多機は、利用者の日常生活の様々な困りごとに応えるために、いろんな介護サービスを一本化しているんだ。小多機を拠点に、地域ぐるみで在宅の高齢者を支える体制づくりが目標だよ。
小多機って、かゆいところに手が届く孫の手みたいなサービスね!介護の仕事を通して地域に貢献できるってことね。
そういうこと!じゃあ、次の章では、小多機の働き方をくわしく見てみよう!
小規模多機能型居宅介護の介護職の働き方は?
仕事内容
小規模多機能型居宅介護では、デイサービスと訪問介護、ショートステイのサービスを提供しているため、介護職の仕事内容は多岐にわたります。
- 食事、入浴、排せつなどの身体介護
- 利用者の送迎
- 利用者の自宅への訪問
- 家事や買い物のサポート、通院の付き添い
- 生活相談や安否確認
- レクリエーションの企画、進行
- 事務作業
- 夜間の巡回
- 緊急時の対応 など
介護職は、小規模多機能型居宅介護のケアマネジャーが立てたケアプランに添いつつ、利用者の希望に合わせてフレキシブルな対応が求められます。
身体介護のスキルが磨けるのはもちろん、主婦や社会経験のある方は、これまで培った掃除や洗濯・炊事などの家事スキルやコミュニケーション能力を活かして働けます。
人員基準
小規模多機能型居宅介護で必要な人員基準を、以下の表にまとめました。
- 小規模多機能型居宅介護の人員基準
職種 | 要件 |
---|---|
代表者 | 1人 認知症の介護または保健医療・福祉サービスの経営経験があり、認知症対応型サービス事業開設者研修を修了したもの |
管理者 | 1人 3年以上の認知症の介護経験があり、認知症対応型サービス事業管理者研修を修了したもの(常勤・専従に限る) |
介護職 | ■日中 常勤換算方法で1人以上 ■夜間 ・夜勤…時間帯を通じて1人以上※宿泊利用がなければ不要 ・宿直…時間帯を通じて1人以上 |
看護師 | 1人以上 |
ケアマネジャー | 1人以上 |
小規模多機能型居宅介護の職員の数は、1事業所あたり、正社員と非正規社員(パート・アルバイト・派遣)を合わせて、平均15人ほど 。
利用定員に合わせて職員の数は少なめです。
人員基準ぎりぎりの職場では、介護職1人の裁量で現場を回す機会が多くなることが予想され、適切な対応力や判断力が問われます。
必要資格
小規模多機能型居宅介護で働くのに、資格は必須ではありません。無資格・未経験OK、年齢不問の求人もたくさんあります。
ただし、すでにお伝えしたように小規模多機能型居宅介護では幅広い介護業務に携わりますので、ある程度の介護の経験や知識がある方が望ましいでしょう。
そのうえで、
- 介護職員初任者研修(比較的に短期間で取得できる介護の入門資格)
- 介護福祉士実務者研修(初任者研修の上位資格)
- 介護福祉士(キャリアップに欠かせない国家資格)
などの資格を持っていると採用に有利です。
特に、訪問介護を行う際は「介護職員初任者研修」以上の資格が必須ですので、ぜひ取得したいものです。
資格取得をサポートしてくれる職場もありますので、無資格・未経験から介護職としてステップアップしたい方は要チェックです。
▼介護の資格についてもっと知りたい方はこちら
また、小規模多機能型居宅介護では送迎業務がありますので、専属ドライバーのいない職場では普通運転免許を持っていれば歓迎されるでしょう。
利用状況
ここでは、小規模多機能型居宅介護ではどのような介護サービスが業務のウエイトを占めるのかを知るために、利用状況を見てみましょう。
「通い+泊り」の利用が34.5%ともっとも多く、次に「通いのみ」「通い+訪問」「通い+訪問+泊り」と続き、全体の94%が「通い」を含む利用。
1日あたりの平均利用者数15.3人のうち11.4人が「通い」で訪れているというデータもあり、「通い」=デイサービスの業務が小規模多機能型居宅介護のメインであることがわかります。
小規模多機能型居宅介護の利用者は、要支援や要介護度1~2の自立した利用者が多く、身体介護の負担は軽い傾向。
少人数制で利用者の顔ぶれはほぼ決まっているので、心身の状態の変化にも気づきやすく、きめ細かい介護が可能です。
利用者との会話やレクリエーションを楽しみつつ、温かい信頼関係が築けるでしょう。
小規模多機能型居宅介護の1日の流れ
食後の片づけの後、テレビをつけたりお茶の用意をしたりと、利用者が就寝まで穏やかに過ごせるよう配慮します。
夜間は、事務作業や巡回、ナースコールの対応をします。
- 上記のスケジュールは一例です。
「訪問」は随時対応のため「1日の流れ」には記載されていませんが、早朝から深夜まで、要望に応じた時間に利用者の自宅へ伺い、家事などの生活援助や介護を行います。
小規模多機能型居宅介護は24時間365日体制ですので、一般的なデイサービスや訪問介護のように利用時間の制限がありません。
「朝1時間だけ自宅に訪問」「デイサービスで昼食だけ」などの短時間や、ショートステイ利用でずっと泊まり※といった利用も可能です。
利用者の状況や希望に、臨機応変に対応するためには、他の介護職やケアマネジャー、看護師などとしっかり連携して、効率的に働く必要があります。
適切な対応力やコミュニケーション能力、細かな気づきの力などが磨かれ、介護職として大きく成長できるでしょう。
小規模多機能型居宅介護の介護職の勤務体制・給料
勤務体制
小規模多機能型居宅介護は、4~5交代のシフト制で8時間勤務(休憩1時間)が中心です。夜勤の場合は、多くが16時間勤務(休憩2時間)となります。
【シフト例】
①7:00~16:00
②9:00~18:00
③11:00~20:00
④16:30~10:30(夜勤)
残業は、あっても1~10時間ほどと少ない傾向です。
日中の利用が多く、宿泊希望者がいなければ夜勤なしになることも。
アルバイトやパート・派遣で働く場合は、日勤のみや都合のいい日時に数時間だけといった働き方もできます。
夜勤専従の募集もあり、少ない勤務日数で稼げる副業として人気です。
▼介護職の夜勤についてもっと知りたい方はこちら
休暇は、ほとんどが週休2日制に対応しています。シフトによっては、土日に休めることもあるでしょう。
夏期休暇や冬期休暇、リフレッシュ休暇がとれる職場もあります。
給料
厚生労働省の調査によると、小規模多機能型居宅介護の介護職の給与※の月額平均は、30.5万円です。- 基本給に手当や一時金、賞与などを含めた金額
ただし、この金額は職場の査定、夜勤の回数、ボーナスや残業の有無、住んでいる地域の給料水準によっても変わりますので、あくまで目安とお考えください。
- 小規模多機能型居宅介護の給与(常勤・非常勤)
項目 | 介護職 | 介護福祉士 |
---|---|---|
常勤 | 305,387円 | 328,328円 |
非常勤(パート・アルバイト・派遣) | 240,590円 | 269,445円 |
上の表は、小規模多機能型居宅介護の介護職の給料を、国家資格を持つ介護福祉士と比べたものです。
資格なしの介護職より介護福祉士の方が、正社員は約2万円、パートやアルバイト・派遣などの場合は、約3万円も高いのがわかります。
介護福祉士としての経験年数や保有資格が、給料の査定に大きく影響するのです。
介護福祉士になるには、介護職としての3年以上の実務経験と、介護福祉士実務者研修の資格が必須。
給料&キャリアアップをめざすなら、まずは介護福祉士実務者研修の資格を検討しましょう。
介護福祉士実務者研修の資格を取るには、福祉系の学校に通うなどの方法がありますが、実は、働いてお給料をもらいながら取得する方法が2つあります。
1つは、先にお伝えした資格取得支援制度のある職場で働くこと。もう1つは、かいご畑の「キャリアアップ応援制度」を活用することです。
キャリアップ応援制度は、かいご畑でお仕事を見つけた方は、通常10~20万円かかる介護福祉士実務者研修の講座の受講料が無料になるというもの。
介護の仕事が見つかる&資格が取れるという、一挙両得の制度なのです。
無資格・未経験から介護職をめざす方、給料を上げたい方は、この機会にかいご畑のキャリアップ応援制度で、資格取得をめざしてみませんか?
▼介護福祉士になる方法をもっと知りたい方はこちら
介護職として腰を据えて働くなら、やっぱり資格取得はマストよね。
小多機で訪問介護の業務に携わるなら初任者研修以上の資格は必ず必要になるよ。それに、介護の資格は全国どこに行っても通用する一生ものだから、取得して損はないよ。
むむむ…やる気がみなぎってきた!!資格を取って小多機で活躍したい!
おっと、やみくもに小多機で働く前に、メリットとデメリットを理解したうえで、慎重に職場を選んでね。
小規模多機能型居宅介護で働くメリット・デメリット
- 「通い」「訪問」「泊り」の幅広い介護スキルが磨ける
- 利用時間や回数の制限がなく、利用者の必要に応じ適切なケアができる
- 少人数制のアットホームな環境で、顔なじみの利用者と密な関係を築ける
- 要介護度の低い利用者が多く、身体介助の負担が軽い傾向
- ある程度のスキルや経験がないと業務をこなすのが難しいことがある
- 利用者の都合に寄り添い、イレギュラーな事態にも臨機応変な対応が必要
- 人手不足の職場だと夜勤がワンオペになることが多い
- 少人数制のため、人間関係が狭いと感じられることがある
訪問介護と施設介護の両方が経験できるのは介護職として貴重な経験ですが、「通い」が急に「泊り」になったり、深夜に「訪問」に行ったりと、柔軟な対応が必要です。
施設勤務での決まった業務しか経験のない場合、慣れないうちは「しんどい、つらい」と感じることもあるかもしれません。
しかし、「訪問」で利用者の自宅に訪問して実生活の状況を知り、ご家族や近隣の方から話を聞くことで、より深く利用者を理解できます。
「通い」や「泊り」を楽しみにしている利用者やその家族から感謝され、やりがいを感じることも多いでしょう。
自宅でも施設でも、利用者の生活を一貫してサポートできるのが小規模多機能型居宅介護の強みです。
小規模多機能型居宅介護に向いている人
気になる方は、下記をチェックしてみてください。
- 人の役に立ちたい
- 幅広い介護スキルを身に付けたい
- 身体介護の負担の少ない職場で働きたい
- 少人数制のアットホームな職場で働きたい
上記うち、1つでも当てはまるようなら、小規模多機能型居宅介護で働くことを考えてみてもいいかもしれません。
小規模多機能型居宅介護では、無資格・未経験OKの募集もたくさんあります。
在宅介護のあらゆる側面をサポートする小規模多機能型居宅介護。
利用者の生活に寄り添い支えることが一番大切な仕事ですので、採用では、経験や資格より人柄が重視されます。
「小規模多機能型居宅介護が気になるけど、ちゃんとやっていけるか不安」
という方は、厚生労働省認可の就職支援センター「かいご畑」にご相談ください。
介護業界に詳しい専任のコーディネーターが、小規模多機能型居宅介護で働く際の注意点や職場の選び方などをていねいにアドバイスします。
希望条件にぴったりの求人のご紹介もしていますので、お気軽にお問い合わせください。
- 「通い」「訪問」「泊り」のサービスで在宅介護を包括的にサポート!
- 少人数制の家庭的な環境で利用者1人ひとりにしっかり向き変える!
- 無資格・未経験からでも幅広い介護スキルを身に付けられる!
介護職の就職・転職をサポートする「かいご畑」が、介護のお仕事や業界に関する情報をお届けする、お役立ちコラムです。
かいご畑では、介護の資格をもつコーディネーターが、今回お届けした情報など専門的な立場からお仕事探しのサポートを行います。
厚生労働大臣認可の就職支援センターなので、利用は無料です。
「お仕事に関する不安や、悩みを聞いてほしい」という相談だけでもOKですので、まずは気軽にご連絡ください!
小多機についてくわしく教えてくれてありがとう。訪問介護の経験はないけど憧れはあるから、いつか転職するとなったら小多機は有力候補ね…!
最初にみっちり研修してくれる職場もあるし、経験の有無は気にせずチャレンジしてみるといいよ。「通い」担当、「訪問」担当って具合に役割分担されている職場もあるし、できることから一歩ずつだよ♪
そういえば、訪問介護って家事サポートもするんだっけ!料理下手だけど、将来に備えて、さっそく今夜の夕飯作りからチャレンジしよう♪
けあ子の手料理…(悪寒)。今日はおやつのたい焼きいっぱい食べたから、夕飯はパスしようかな…。
本コラムは、「かいご畑」を運営する株式会社ニッソーネットが、専門家の監修のもと執筆しています。
■監修者
野口 哲也
( のぐち てつや )
みんな、小規模多機能型居宅介護の仕事内容や働き方についてはわかったかな?
今回の豆知識では、小規模多機能型居宅介護のサービスの利用方法や費用についてまとめてみたよ。身近に介護が必要な人がいれば、ぜひ参考にしてみてね!
小規模多機能型居宅介護の利用方法や料金は?
1つの事業所で「通所」を中心に、「訪問」「宿泊」の介護サービスを組み合わせ、在宅生活の支援などを行う小規模多機能型居宅介護は、利用者にとっては- 契約が1回で済む
- 利用の際の連絡の手間が少ない
- スタッフの顔ぶれが同じで安心できる
- 心身の状態の変化に合わせて柔軟なケアが受けられる
というメリットがあります。
小規模多機能型居宅介護を行う事業所は、小規模多機能型居宅介護事業所や小規模多機能ホームと呼ばれています。
では、利用条件や利用の流れ、料金を見ていきましょう。
利用条件
- 小規模多機能型居宅介護の事業所と同じ市町村にお住まいの方
- 要支援~要介護5の方
要介護認定が済んでいない方は、地域包括支援センターか、利用を希望する小規模多機能型居宅介護事業所に相談してみましょう。
利用の流れ
利用の流れは以下の通りです。①小規模多機能型居宅介護を行う事業所を探す
すでに担当のケアマネジャーがいる方は、相談すれば、事業所を紹介してもらえます。いない場合は、利用を希望する事業所に直接問い合わせます。
②事業所を見学する
多くの事業所が、事前の見学を受け付けています。送迎もしてもらえるので、気になった事業所があれば、いくつか見学して比べてみましょう。
③契約
どこを利用するか決まったら、自宅や事業所で契約の手続きをします。
④ケアプランの作成
心身の状態や在宅での生活の様子などをもとに、小規模多機能型居宅介護のケアマネジャーがケアプラン(利用の計画書)を作成します。そのうえで、希望に合わせて「通い」「訪問」「宿泊」の組み合わせや利用時間の調整をします。
⑤利用開始
基本はケアプランに添いつつ、その時々の状況に合わせたサービスの利用が可能になります。
これまで担当のケアマネジャーがいた方は、小規模多機能型居宅介護のケアマネジャーに担当が変わります。
小規模多機能型居宅介護を利用する場合、他のデイサービスや訪問介護などとの併用はできませんので注意しましょう。
- 小規模多機能型居宅介護と他の介護サービスとの併用
併用できるサービス | ・訪問看護 ・訪問リハビリ ・居宅療養管理指導 ・福祉用具レンタル ・住宅改修 など |
併用できないサービス | ・デイサービス ・デイケア ・訪問介護 ・訪問入浴 ・ショートステイ など |
利用料金
小規模多機能型居宅介護の基本料金は以下の通りです。- 小規模多機能型居宅介護の月額料金(定額)
要支援・要介護度 | 利用者の負担額 ※お住まいの地域により異なります。 |
---|---|
要支援1 | 3,403円 |
要支援2 | 6,877円 |
要介護1 | 10,320円 |
要介護2 | 15,167円 |
要介護3 | 22,062円 |
要介護4 | 24,350円 |
要介護5 | 26,849円 |
- 表は「介護事業所・生活関連情報検索/厚生労働省」を参考に当社が作成
- 「同一建物に居住する者以外の者に対して行う場合」の負担額
定額料金の他、食費、宿泊費、オムツ代、加算費用がかかります。
加算費用は、施設のサービス体制などによってかかる費用です。初期加算・認知症加算・看護職員配置加算・サービス体制強化加算・介護職員処遇改善加算などがあり、施設により異なります。
【料金例】
要介護2で月に「通い」を15回、「泊り」を4日利用した場合
- 基本料金…15,167円
- 昼食費(1回500円×15回)…7,500円
- 宿泊費(1回1500円×4回)…6,000円
- 夕食費(1回700円×4回)…2,800円
- 合計…31,467 円~
- 金額は一例で、実際は事業所により異なります。
小規模多機能型居宅介護は、基本料金が定額制なので、月にどれだけ利用しても、費用が高くなりすぎる心配は少ないですが、毎月の利用回数が少ないと、割高に感じられるでしょう。
ケアマネジャーなどとしっかり相談のうえ、小規模多機能型居宅介護にするか、他の介護サービスにするかを検討しましょう。
人気記事一覧
かいごろにゃんシリーズ一覧
- その介護、不適切ケアではありませんか?高齢者の虐待につながる事例と予防策を提案!
- 介護職が身に付けたい接遇マナーとは?【事例&チェックリストあり】
- 介護職に向いている人・向いていない人TOP3とは!?介護の仕事内容を知り、自分に合う職場を見つけよう!
- 【介護派遣あるある】派遣で介護職を始めるには?登録前に知っておきたいメリット・デメリットを解説!
- 介護事務の仕事内容を紹介!必要スキルや1日のスケジュール、給料、やりがいとは?
- 生活支援員の仕事内容や給料、なり方を紹介。無資格・未経験から福祉の仕事にチャレンジ!
- 介護医療院とはどんなサービス?介護職の仕事内容や1日の流れを解説!
- 生活援助従事者研修とはどんな資格?無資格・未経験から訪問介護の仕事を始めたい方に、メリット・デメリットを解説!
- 食事介助の注意点とは?介護職が知っておきたい高齢者の食事の基礎知識や誤嚥の対応策を提案!
- 訪問入浴介護はきつい・しんどいってホント?給料や仕事内容を知り、適性を見極めよう!
- 「認知症介護基礎研修」で無資格からステップアップ!研修内容や受講のメリットを紹介
- 特養と老健の違いは?介護職の仕事内容や給料、働きやすさを比較!
- 「重度訪問介護」は資格なしでもできる?必要な研修や仕事内容、働くメリットを解説!
- コミュニケーションが苦手でも介護職になれる?高齢者と信頼関係を築く4つのコツを紹介!
- 排泄介助の苦手克服で介護職としてステップアップ!スムーズなケアの手順や注意点を解説
- 介護職のつらい腰痛の原因と予防法、悪化させない工夫を解説!腰痛持ちでも働きやすい職場とは?
- 介護施設の入浴介助とは? 洗う順番や注意点、服装、きつい入浴介助を乗り切る工夫を解説!
- サービス提供責任者(サ責)とは大変な仕事?業務内容や給料、必要資格を紹介!
- 生活相談員とは?仕事内容や必要資格、介護職から生活相談員になるメリットとやりがいについて解説!
- ホームヘルパー(訪問介護員)とは何をする人?必要資格や仕事内容、給料などについて解説
- 小規模多機能型居宅介護とはどんな介護サービス?特徴や介護職の仕事内容、必要資格、給料を紹介!
- 住宅型有料老人ホームの仕事内容とは?夜勤や給料、介護職の求人探しのポイントを解説!
- 「ユニットケア」とはどんな介護?従来型との違い、介護職として働くメリット・デメリットを知り、転職に役立てよう!
- 特定処遇改善加算とはどんな制度?介護職員処遇改善加算との違いや介護職の給料アップの現状を解説!
- 介護現場のヒヤリ・ハットとは?事例や報告書の書き方、活用法を知り、介護職としてスキルアップ!
- 介護施設における感染症対策を総まとめ!介護職への支援・慰労金の給付についても解説
- 介護職のパートは働きやすい?求人事情や時給、仕事内容を知って不安解消!志望動機の例文も紹介
- 介護職がレクリエーションへの苦手意識や不安を克服するには?明日から使えるレクのアイデアも紹介
- 未経験で介護職へ転職するには?悩みや不安を解消し、転職を成功に導くヒントを解説
- 看護助手とは?無資格・未経験でもなれる看護助手の仕事内容や給料、やりがいなど徹底解説!
- 介護職の志望動機の例文を新卒、経験者、職種、雇用形態別に紹介!志望動機の書き方のコツも解説
- 介護の資格の種類を総まとめ!無資格・未経験から介護職を目指す方におすすめの資格は?
- 介護職の転職を成功させるには?転職のポイントや面接対策など、転職成功のコツを徹底解説!
- 介護派遣で働くメリットとは?正社員との違いや高時給の理由、派遣会社の選び方を解説
- ケアマネジャーの資格とは?受験資格や難易度、勉強法を解説
- 認定介護福祉士とは?資格取得の費用や期間、給料や介護福祉士との違いなどを解説
- 介護職員初任者研修とは?資格取得の費用やメリット、試験の難易度などの情報を紹介!
- グループホームの仕事内容とは?夜勤や給料、認知症介護のポイントを解説
- 介護の仕事の実態とは?仕事内容や給料、やりがいなど知られざる魅力を徹底ガイド!
- 実務者研修とは?資格の内容や取得期間と費用、難しさを解説
- サービス付き高齢者向け住宅の仕事内容とは?夜勤や給料、職場選びのコツを解説
- デイサービスの仕事内容とは?やりがい、給料、1日の流れを解説!
- 介護福祉士になるには?資格取得の方法や試験、仕事内容・給料について解説
- 介護士の給料・年収を上げるには?給料相場ランキングや給料の高い施設も紹介
- 【入門編】老人ホーム・介護施設の種類の一覧まとめ。特徴やサービス内容、費用を比較!
- 介護職の人間関係の悩みを解決!人間関係で辛い状態を改善する方法と、よい職場の選び方
- 介護職を辞めたい理由・ストレスの原因は?悩みの解決策とよい職場へ転職する方法
- 介護職の夜勤はつらいってホント?夜勤の実態やメリット、給料など現場のリアルを調査
- 介護職員処遇改善加算とは?介護職の給料・年収が上がる制度を解説!