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- 【入門編】老人ホーム・介護施設の種類の一覧まとめ。特徴やサービス内容、費用を比較!|かいごのお仕事コラム
更新日: (公開日:)
【入門編】老人ホーム・介護施設の種類の一覧まとめ。特徴やサービス内容、費用を比較!
老人ホーム・介護施設のことを調べようと思っても、「種類が多すぎてわかりにくい」と思ったことはありませんか?
たとえば特別養護老人ホームや有料老人ホームなどは、一度は耳にしたことがあるかもしれません。
でも、他にも似たような名前の施設があったり、各施設の情報が細かすぎて、なかなか頭の中が整理できなかったりすると思います。
そこで今回は、老人ホーム・介護施設について代表的なものをピックアップし、誰にでも一目でわかるように、簡単に特徴をまとめてみました!
さらに、各施設のサービス内容や費用などを様々な視点から比較し、施設による違いも明確にわかるようにしました。
また、【家族のために、介護施設を探している方】と、【介護職として働いてみたい方】に、それぞれ目的別のお役立ちコンテンツも用意しています。
「介護施設の種類って、なんだかややこしくてよくわからないな…」と感じていた方は、ぜひこれを読んでスッキリ整理してみてください!
けあ子
ひよっこ介護士。
寝坊して職場へ駆け込むところを利用者の家族に目撃され、地元の運動会にスカウトされた。
かいごろにゃん
かいご畑に住みついたネコのようないきもの。
介護業界に詳しく、けあ子のよき相談役。たい焼きはアタマから食べる派。
一目でわかる!代表的な老人ホーム・介護施設の特徴一覧
まずは、介護サービスの全体像を掴むために、代表的な介護サービスや各施設の特徴を簡単にまとめてみました。
■ 介護サービスの特徴一覧
施設種別 | 特徴 | 介護度 |
---|---|---|
【入所サービス】(施設で暮らす) | ||
特別養護老人ホーム (特養) |
最期を迎える 時まで暮らす 住まい |
要介護3~ |
介護老人保健施設 (老健) |
リハビリで自 宅復帰を目指 す住まい |
要介護1~ |
グループ ホーム |
認知症の方に 対応した住ま い |
要支援2~ |
有料老人 ホーム |
介護は不要だ が、日常生活 が不安な方の ための住まい |
自立でもOK |
【通所サービス】(施設に通う) | ||
デイ サービス |
日帰りで介護 を受けるサー ビス |
要介護1~ |
【訪問サービス】(自宅で介護を受ける) | ||
訪問介護 | 自宅に来ても らい介護を受けるサービス |
要介護1~ |
このように、各介護サービスや施設によって特徴が異なり、提供するサービスや対象者も変わります。
介護施設を利用する前に知っておきたい、介護保険に関するQ&A
上記のような老人ホーム・介護施設では、介護保険が適用される場合があります。
介護保険とは、介護サービスや施設利用料の一部を負担してくれる、心強い制度です。
でも、「介護保険って一体何?」という方も多いのではないでしょうか。
ここでは、介護施設を利用する前に知っておきたい介護保険制度の仕組みや手続きについて、けあ子とかいごろにゃんがQ&A形式で説明します。
Q.介護保険制度って、どんな仕組みなの?
A.高齢者が安心して介護サービスを受けられるよう、みんなで支え合うものだよ。
介護保険制度とは、介護の必要な高齢者を社会全体で支えるための制度で、介護保険法のもと、2000年からスタートしました。
40歳以上の国民には加入義務があり、月々の介護保険料を支払うことになります。
この介護保険料と税金を財源として、介護サービスにかかる費用の8~9割を自治体がまかなう仕組みとなります。
介護サービスを受けることができるのは、原則65歳以上で、自治体から介護が必要と認められた方です。
対象者が介護サービスを受けた場合の支払いは、利用した介護サービス費用の1~2割の負担額で済みます。
Q.どんな人が介護保険を利用できるの?
A.自治体による「要介護・要支援認定」を受けた人が利用できるよ。
先にお伝えしたように、介護保険を利用するには、自治体から「介護が必要だ」と認められなければなりません。
そのためには、自治体による「要介護・要支援認定」を受ける必要があります。
要介護・要支援認定では、どの程度の介護が必要かの基準となる要介護度・要支援度を決めます。それぞれの区分は下記の通りです。
■ 要介護度・要支援度の区分
区分 | 状態 | |
---|---|---|
要介護1~5 | 生活機能が低下し、日常生活において介護が必要 | |
要支援1~2 | 生活機能が低下しているが、改善が可能 | |
自立 | 介護を必要としない |
この要介護度に応じて、必要な介護サービスや、利用者の負担額が決まります。
Q.要介護・要支援認定を受けるにはどうすればいいの?
A.自治体に申請して、認定調査を受ける必要があるよ。
それでは実際に、認定を受けるための手続きについて説明します。
自治体(自宅の最寄りにある役場など)で、認定調査の申請を行う
- 所定の申請書のほか、介護保険被保険者証などが必要となります
調査員による、聞き取り調査を受ける
調査から約1か月後に、認定結果が届く
このような流れで要介護・要支援認定を受けた後、必要な介護サービスを選ぶことができます。
老人ホーム・介護施設へ入居する場合は、一般的には要介護・要支援認定を受けた後、施設へ直接申し込みを行います。
ふむふむ、老人ホームや介護施設を利用するためには、まず認定調査を受けておくといいのね。
そうだね。自分では元気だと思っている方でも、実は要介護だった…なんてこともあるからね。
まずは、第三者の目でどれくらいの介護が必要な状態かをハッキリさせてから、それに応じて施設を選ぶことがスタートラインだよ。
なるほど~。
よし、じゃあ、次に各施設の違いをもっと詳しく説明するよっ。
お願いしますっ。
介護施設の種類による違いを徹底比較!
そこで、次はさらに、各施設の違いも明確にわかるように、特徴やサービス内容、費用など様々な視点から比較をしていきましょう。
【比較1】入居条件の違い
老人ホーム・介護施設の入居条件には、主に年齢と要介護度が設けられています。各施設の入居条件の違いは、下記の通りです。
施設種別 | 年齢 | 介護度 |
---|---|---|
特養 | 以上 |
|
老健 | 以上 |
|
グループ ホーム |
以上 |
要介護5 |
有料老人 ホーム |
以上 |
入居時の年齢は、有料老人ホームを除き原則65歳以上ですが、40歳~64歳の方でも、がん末期などの特定疾病により介護が必要と認定された場合は、入居できる可能性があります。
各施設の中で、比較的に入居しやすいのは、自立からでも入居可能な有料老人ホームとなります。
年齢・要介護度以外の入居条件としては、「医療的ケアが必要か」「共同生活が可能かどうか」など、施設によって様々です。
同じ種類の施設でも、細かな入居条件は異なります。
たとえば、介護老人保健施設でも、医療体制などは施設によって違いがあったりします。
「この施設に入居したい」と思っても、入居条件がマッチしていないと入ることができないので、介護施設を探す前には必ず条件をチェックしておきましょう。
【比較2】サービス内容の違い
老人ホーム・介護施設では、身体介護や生活援助、レクリエーションなど、様々な介護サービスを受けることができます。まずは、それぞれのサービス内容を簡単に説明します。
- 身体介護
- 食事・入浴・排せつ・移乗など、身体的なサポート。
- 生活援助
- 掃除・洗濯・買い物など、家事や身の回りのサポート。
- レクリエーション(レク)
- 体操や折り紙など、機能訓練を兼ねたリフレッシュ活動。
各施設のサービス内容の違いは、下記の通りです。
施設 種別 |
身体 介護 |
生活 援助 |
レク |
---|---|---|---|
特養 | |||
老健 | |||
グループ ホーム |
応じて○ |
||
有料老人 ホーム |
よって 異なる |
施設にもよりますが、特に有料老人ホームは、各施設の方針によって提供するサービス内容に違いがあります。
具体的にどんなサービスが受けられるかについては、各施設へ見学や質問をして確認するとよいでしょう。
【比較3】運営主体の違い
老人ホーム・介護施設の運営主体は、国や地方自治体、社会福祉法人、民間企業など様々です。
主に、国や地方自治体、社会福祉法人など、公的な団体が運営する施設
→ 「公的施設」
主に、民間企業が運営する施設
→ 「民間施設」
と、呼ばれています。
各施設の運営主体の違いは、下記の通りです。
施設種別 | 主な運営主体(例) | 区分 |
---|---|---|
特養 | 社会福祉法人 |
施設 |
老健 | 医療法人 |
施設 |
グループ ホーム |
施設 |
|
有料老人 ホーム |
施設 |
次に、公的施設と民間施設のメリット・デメリットをまとめました。
■ 公的施設
◎メリット
運営する上で国の補助があるため、入居費用を安く抑えることができる
✕デメリット
人気が高く、入居待ちの期間が長くなりがち
■ 民間施設
◎メリット
公的施設に比べて施設数が多く、設備やサービスなどが充実している
✕デメリット
費用が高い
運営主体を知りたい場合は、施設のホームページにある「事業主体」「設置主体」「開設者」などの項目に記載されているので、確認してみましょう。
【比較4】費用の違い
先に運営主体によって費用が異なるとお伝えしましたが、それでは実際、各施設の費用がどのくらいかについて説明していきます。
- 老人ホーム・介護施設の主な費用内訳
- 初期費用となる入居一時金
- 居住費
- 食費
- 介護サービス利用料
各施設の費用の違いは、下記の通りです。
施設種別 | 入居一時金 (目安) |
月の利用料金 (目安) |
---|---|---|
特養 | ||
老健 | ||
グループ ホーム |
万円 |
|
有料老人 ホーム |
万円 |
特別養護老人ホームや介護老人保健施設は、入居一時金が不要で、月の利用料金も有料老人ホームに比べて安く設定されています。
有料老人ホームは、シンプルな施設から、露天風呂やスポーツジムなどの設備が充実している施設まで幅広く、費用も様々です。
「収入が国民年金のみだったり、貯蓄に不安がある場合は、介護施設には入れないの?」という方もご安心を。
所得によって利用料金が減額になる施設もあるので、費用面で不安がある場合は、後ほどご説明する相談先に問い合わせてみましょう。
【比較5】医療体制の違い
老人ホーム・介護施設では、上記のような介護サービスのほかに、医療的ケアの提供も行います。医療的ケアの充実度は、「医師や看護師などが施設に常駐しているか」「提携の医療機関はあるか」など施設によって異なります。
各施設の医療体制の違いは、下記の通りです。
施設種別 | 医療体制 |
---|---|
特養 | 利用者100人につき、 医師1名以上(非常勤可)、 看護師3名以上 |
老健 | 利用者100人につき、 医師1名以上(常勤)、 看護師9名以上 |
グループ ホーム |
配置基準はなく、 施設によって異なる |
有料老人 ホーム |
配置基準はなく、 施設によって異なる |
特別養護老人ホームや介護老人保健施設では、医師や看護師の人数が介護保険法によって定められていますが、グループホームや有料老人ホームなどの民間施設では特に基準はありません。
介護老人保健施設は医師が常勤しており、看護師も多く配置されていることから、充実した医療ケアが受けられます。
民間施設でも看護師が常駐している施設や、医療クリニックが敷地内に併設されている施設もあるため、入居後の健康管理や緊急時の対応などについては、事前に確認しておくとよいでしょう。
このように項目ごとに比較すると、老人ホーム・介護施設の種類によって、おおまかな違いがあるとがおわかりいただけたと思います。
介護施設を選ぶ際には、各施設の特徴と、入居する方の状況を照らし合わせるとよいでしょう。
そこで大切になるのは、入居する方の現在の状況だけでなく、入居後も見据えた長期的な視野を持つことです。
当然、入居する方の介護レベルも時間が経つにつれどんどん変わっていきますが、それだけでなく、たとえば経済の状況も変化するかもしれません。
さらに、穏やかな最期を迎えられるように援助することを「看取り介護」といいますが、その対応をしてくれるかどうかも施設によって異なります。
ですので、老人ホーム・介護施設を選ぶ際には、様々な将来をシミュレーションして慎重に選びましょう。
長期的な視野か…。
確かに私が働いている職場でも、入居時から状況が変わる利用者さんは多いわ。
介護施設によって老後の過ごし方が大きく変わるから、長い目でみてベストな選択をしたいよね。
でも、介護のことに詳しくないと、なかなか将来のシミュレーションって難しいよね…。
おばちゃんが私に相談してきた気持ちもわかるわ。
そうだね。
だから、そういう時に頼りになる相談先があるんだよ。
じゃあ、これから説明していくね!
【家族のために、介護施設を探している方向け】施設を探す時に使える、3つの相談先
ウェブサイトで施設について検索したり、一つひとつの施設を比較するにしても、時間や手間がかかってしまいます。
そんな時に頼れる、3つの相談先をご紹介します。
地域包括支援センター
地域包括支援センターとは、介護や福祉に関する総合窓口として、各自治体が運営する公的な機関です。
地域包括支援センターでは、お住まいの地域にある介護施設に関する情報について教えてくれるほか、資料の提供や相談にものってくれます。
民間の紹介センター
最近では、介護施設の紹介を行う民間の紹介センターも増えています。
民間の紹介センターでは、有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅など、主に民間施設を紹介してくれるほか、会社によっては見学同行や契約までサポートしてくれるところもあります。
ケアマネージャー
すでに要介護認定を受けていて、在宅で介護サービスを利用している場合は、担当のケアマネージャーに相談してみましょう。
ケアマネージャーは、自宅の近隣地域にある介護施設の情報に詳しく、利用者本人の状態や普段の暮らしも把握していることから、その人に合った施設を提案してくれる可能性が高いです。
このように、介護施設探しをサポートしてくれる仕組みやサービスはたくさんあります。
悩んだ際は1人で抱え込まず、様々な意見を参考にしながら、よりよい選択をしましょう。
老人ホーム・介護施設の数は年々増加していますが、それでもまだ入居を希望する高齢者の数に追いついていないのが現状です。
ここでは、そのような老人ホーム・介護施設をとりまく現在の状況についてお伝えします。
- 老人ホーム・介護施設の数は年々増加している!
- 特別養護老人ホームの施設数の推移
- グラフは「特定施設入居者生活介護/厚生労働省」を参考に当社が作成
- それでも厳しい、入居待ちの現実
- 参考:「特別養護老人ホームの入所申込者の状況 /厚生労働省」。特例入所を含む。
- 老人ホーム・介護施設は多様化の時代へ
- 有料老人ホームの施設数の推移
- グラフは「特定施設入居者生活介護/厚生労働省」を参考に当社が作成
- サービス付き高齢者向け住宅の施設数の推移
- グラフは「特定施設入居者生活介護/厚生労働省」を参考に当社が作成
超高齢社会に伴い、老人ホーム・介護施設の数は年々増えています。
こちらのグラフをご覧ください。
グラフから、特別養護老人ホームは4年間で850施設ほど増えていることがわかります。
それ以外の施設でも、たとえば、介護老人保健施設であれば4年で50施設ほど増えています。
このように、介護施設の数は少しずつ増えているものの、入居を希望する高齢者にはまだまだ追いついてないのが現状です。
特に、手頃な費用で手厚い介護を受けられる特別養護老人ホームは人気が高く、2019年4月時点では約29.2万人が、入居したくてもできない「入居待機者」となっています。(※)
政府は、将来的には入居待ちゼロとなることを目指し、施設の整備や介護職員の確保などの政策に取り組んでいます。
このような時代の流れを受け、近年急増しているのが有料老人ホームや、サービス付き高齢者向け住宅です。
こちらのグラフをご覧ください。
グラフから、有料老人ホームは4年間で2300施設ほど増えていることがわかります。
特別養護老人ホームの増加率が1.08倍にとどまっているのに比べ、有料老人ホームは1.2倍も増えています。
これは、民間の事業者が有料老人ホームを運営しやすい環境に整えられたことが理由となっています。
また、同じく元気なうちから入居できる高齢者向けの住まいとして、安否確認や生活相談サービスが受けられるサービス付き高齢者向け住宅も下記のように急増しています。
サービス付き高齢者向け住宅は、2011年に誕生した後発の施設ですが、急激な伸びを見せており、この4年間だけでも1.2倍近く施設数が増えています。
今後も、増え続ける高齢者の暮らしをサポートするため、老人ホーム・介護施設の多様化が進むことが予想されます。
時代の流れや高齢者のニーズを受けて、介護施設がどんどん増えているんだね。
それじゃあ、私たち介護職も、もっとたくさん必要ってこと?
その通り!
じゃあ最後に、介護職として働いてみたい方に向けて、各施設別の仕事内容を紹介していくよ。
【介護職として働いてみたい方向け】介護施設別の仕事内容を紹介!
介護職と一言でいっても、介護施設の種類によって仕事内容は異なります。
そこで、この章では各施設における介護職の仕事内容について、わかりやすくまとめてみました。
施設種別ごとに、どういったタイプの方が向いているかがわかる【タイプ別チェック】もつけています。
今から介護職をはじめてみようという方はもちろんのこと、今とは違う種類の施設に転職を考えている方も、ぜひ参考にしてみてくださいね。
特別養護老人ホームの仕事内容
特別養護老人ホームでは、利用者が最期を迎える時まで生活できるようサポートするため、介護職にとって介護の醍醐味を味わえる、やりがいのある仕事と言えます。
仕事内容としては、要介護度の高い利用者が多いため、食事・入浴・排せつなどの身体介護がメインになります。
そのほか、リネン(シーツや枕カバーなど)交換や洗濯など、利用者が快適に生活するためのサポートも行います。
介護度の高い利用者に多く接するので、介護職に必要な技術や知識がいち早く身につきます。
また、利用者の入れ替わりが少ないので、一人ひとりのケアのやり方を覚えやすいという特徴もあります。
- 介護職として早くスキルを身につけたい
- 利用者とじっくり期間をかけて関係性を築きたい
- 介護の世界にしっかり入り込んで、やりがいを感じたい
介護老人保健施設の仕事内容
介護老人保健施設では、利用者がリハビリを通じて自宅に帰ることができるよう、心身の両面でサポートすることが介護職の役割です。
在宅復帰という希望に向かってがんばる利用者を手助けしていく、という喜びが感じられるお仕事です。
仕事内容としては、食事・入浴・排せつなどの身体介護のほか、リハビリの補助なども行います。
医師や看護師、リハビリスタッフなどと連携して働くことになるので、医療に関する知識や経験も身につけることができます。
また、利用者によって症状やリハビリの進み具合などが異なり、様々なケースの利用者に接する機会が増え、介護職としての経験を多く積むことができます。
- 医療や看護分野との連携を学びたい
- 様々な利用者のケアを通して、経験を積みたい
- 利用者の在宅復帰を一緒にサポートしていきたい
グループホームの仕事内容
グループホームは、認知症の方が共同生活を通して、その進行を緩やかにするための施設です。
認知症の方が自立した生活を送ることができるよう、施設内での共同生活を様々な面からサポートすることが介護職の役割となります。
仕事内容としては、認知症の方たちと一緒に食事を作ったり、掃除・洗濯・買い物など、私たちの普段と同じような生活を共におくることがメインとなります。
1施設につき最大18人までの少人数制なので、アットホームな雰囲気の中で働くことができます。
- 認知症の方々の対応スキルを身につけたい
- 利用者さん一人ひとりと、じっくり関係を築きたい
- 普段行っている、家事の経験を活かしたい
▼グループホームの仕事内容についてもっと知りたい方はこちら
有料老人ホームの仕事内容
有料老人ホームは民間が経営しており、実費を多く支払って入居している方も多いです。
そのため、接客を重視した施設が多く、そこで働く介護職は介護のスキルだけでなく、マナーや接客スキルも求められます。
よって、サービス業など他業種での経験が大いに発揮できる職場と言えます。
有料老人ホームには、利用者の状態に応じて「介護付き」「住宅型」「健康型」の3種類があり、仕事内容も変わります。
- 介護付き有料老人ホーム
要介護度の高い利用者に対し、身体介護をはじめ、掃除・洗濯・買い物などの生活援助、レクリエーションなどを行います。 - 住宅型有料老人ホーム・健康型有料老人ホーム
自立度の高い利用者に対し、生活援助や見守り、レクリエーションなどを行います。
内装や設備などにもこだわった施設も多く、介護職にとっても気持ちよく働ける環境が整っています。
- 比較的、元気な高齢者の生活をサポートしたい
- 利用者とのコミュニケーションを多くとりたい
- レクリエーションやイベントにどんどん参加したい
いかがでしたでしょうか?
このように、老人ホーム・介護施設の種類によって、仕事内容や向いているタイプも変わってきます。
でも、仕事を探す時に、各施設のウェブサイトや求人票に記載されている仕事内容を一つひとつ見比べるのって大変ですよね。
そんな時は、転職エージェントを利用するのもひとつの手です。
厚生労働大臣認可の介護就職支援センター「かいご畑」なら、数多くの老人ホーム・介護施設から、希望の働き方やキャリアアップを叶える職場をご提案いたします。
「自分には、どんな介護施設が向いているんだろう?」
「今の職場とは違う種類の施設での仕事内容が知りたい」
など、仕事を探すだけではなく、各施設の仕事内容について話を聞いてみたいというだけでもOKです!
ぜひお気軽にご相談ください。
- 各施設の違いを把握して、施設選びや職場選びに活かそう
- 【施設選び】入居後のサービスも見据えて選ぼう
- 【職場選び】自分のタイプや目標を参考にしよう
介護職の就職・転職をサポートする「かいご畑」が、介護のお仕事や業界に関する情報をお届けする、お役立ちコラムです。
かいご畑では、介護の資格をもつコーディネーターが、今回お届けした情報など専門的な立場からお仕事探しのサポートを行います。
厚生労働大臣認可の就職支援センターなので、利用は無料です。
「お仕事に関する不安や、悩みを聞いてほしい」という相談だけでもOKですので、まずは気軽にご連絡ください!
老人ホーム・介護施設についてよくわかったわ!
いろんな施設のことを知ると、自分の職場との違いがわかって面白いし、参考になる~。
そうだね。
たとえば仕事を探す時にも、どんな利用者さんがいて、どのような介護サービスを提供するのかを知っていると、職場選びもスムーズになるよね。
う~ん、介護施設についてもっと知りたくなってきたわ!
おっ、やる気だね♪
それじゃあ、上で紹介した老人ホームや介護施設のもっと詳しい情報や、紹介しきれなかった施設も含めて、これから説明するよ。
おぉ~今回は内容盛りだくさん!
おっトク~!
がんばって、いつもよりたくさん説明するから、後でジャンボたい焼きよろしくね♪
もっとわかる!老人ホーム・介護施設の特徴や費用などを詳しく解説
ここでは、入所サービスを中心に、下記の介護サービスや施設について、特徴や費用、メリット・デメリットなどをより詳しく説明します。
- 入所サービス
- 入所以外の介護サービス
まずは、公的施設から見ていきましょう。
特別養護老人ホーム(介護老人福祉施設)
特別養護老人ホームとは
特別養護老人ホームは、常に介護が必要なため、自宅での生活が難しい高齢者に対し、24時間体制で介護サービスを提供する施設です。
通称「特養」と呼ばれています。
初期費用は無料、月々の利用料金も低コストで、手厚い介護を受けることができます。
一方、医療的ケアに関しては限定的で、看取り介護の対応は施設によって異なります。
部屋は、2~4人部屋の「従来型」と個室の「ユニット型」があり、最近では「ユニット型」が主流となっています。また、食堂、トイレ、浴室などは基本的に共有となります。
- 入居条件
原則、65歳以上かつ要介護3以上。
- 人員体制
特養で働くスタッフで最も多いのは介護職員です。
医師や看護師は、老健などの医療体制が整っている施設に比べると、少ない配置基準になっています。
- 介護保険の適用可否
○
- 医療保険の適用可否
✕
- 費用(目安)
- 初期費用:なし
- 月額費用:5~15万円前後
部屋のタイプや世帯収入などにより異なります。
- 入居期間
終身利用可。
最近では看取り介護対応の特養も増加傾向に。
- メリット・デメリット
◎メリット
- 初期費用がなく、月額費用も低く抑えられる
- 長期入居が可能で、終の棲家になりうる
- 24時間体制で手厚い介護サービスを受けることができる
✕デメリット
- 人気が高く、入居待ちに数か月~数年かかることも
- 医療体制が限定的なため、医療的ケアが必要な場合は入居できない可能性がある
- レクリエーションやイベントは、デイサービスなどに比べると少なめ
- 介護職の仕事内容
主に要介護度の高い利用者に対し、食事・入浴・排せつなどの身体介護を行います。
その他、リネン(シーツや枕カバーなど)交換や洗濯、夜間の見守りなどを通じ、利用者の生活を支えます。
特養はデイサービスなどに比べてレクリエーションやイベントなどは少ないですが、様々な状態の利用者に接するため、介護の知識や技術が早く身につきます。
介護老人保健施設
介護老人保健施設とは
介護老人保健施設は、病気などで入院した後、すぐに自宅での生活が困難な高齢者に対し、トレーニングや歩行練習などのリハビリを通じて在宅復帰を目指すための施設です。
通称「老健」と呼ばれています。
老健では、食事・入浴・排せつなどの介護サービスのほか、専門スタッフによるリハビリを受けることができます。
老健は特養に比べ、医療体制が手厚い点が特徴です。
また、敷地内には通所リハビリを併設している施設が多く、退院後も通いでリハビリを受けることができます。
- 入居条件
原則、65歳以上かつ要介護1以上。
- 人員体制
老健は特養に比べ、医師の常勤が義務づけられていたり、看護師の配置基準が多かったりと医療体制が充実しています。
また、介護職員のほかに理学療法士(PT)・作業療法士(OT)・言語聴覚士(ST)などのリハビリ専門スタッフがいるのも老健ならではです。
- 介護保険の適用可否
○
- 医療保険の適用可否
✕
- 費用(目安)
- 初期費用:なし
- 月額費用:5~15万円前後
部屋のタイプや世帯収入などにより異なります。
- 入居期間
在宅復帰を目指す施設のため、入居期間は原則3か月間で、その後は3か月ごとに入居継続の判定があります。
また、在宅復帰を目指すための施設ですが、医療体制が整っていることから看取り介護にも対応している施設もあります。
- メリット・デメリット
◎メリット
- 医療体制が充実しているため、日常的な医療的ケアが必要な人も入居できる
- 専門スタッフによるリハビリにより、在宅復帰を目指せる
- 有料老人ホームなどに比べて費用が安い
✕デメリット
- 病院と自宅の中間として位置づけられた施設なので、入居期間が限定されている
- 相部屋(多床室)になる可能性が高い
- レクリエーションやイベントは、デイサービスなどに比べると少なめ
- 介護職の仕事内容
自宅へ帰ることを目的としている利用者に対し、食事・入浴・排せつなどの身体介護をはじめ、機能訓練や作業療法などの補助を行います。
医師や看護師、リハビリ専門スタッフと連携して利用者の生活をサポートするため、医療やリハビリに関する知識を増やすことができます。
介護療養型医療施設(療養病床)
介護療養型医療施設とは
介護療養型医療施設は、長期療養が必要な高齢者に対して、医療処置や介護サービスを提供する、病院と介護施設を兼ね備えたような施設です。
主な運営主体は医療法人で、一般病棟を併設している施設が多く、容態が悪化した場合は一般病棟に移ることもできます。
介護療養型医療施設は、医療処置の必要な人とそうでない人が混在していることが課題となっており、施設の廃止や他施設への転換が進められています。
2012年以降は新設も認められておらず、入居が難しい状態です。
- 入居条件
原則、65歳以上かつ要介護1以上。
■人員体制
特養や老健に比べ、医師と看護師の配置基準は一番手厚くなっています。
ですので、たん吸引や胃ろう、酸素吸入、インスリン注射などが必要な人にとっては安心感があります。
他に、介護職員やリハビリスタッフ、薬剤師や栄養士など多彩なスタッフが揃います。
- 人員体制
○
- 医療保険の適用可否
✕
- 費用(目安)
- 初期費用:なし
- 月額費用:5~15万円前後
部屋のタイプや世帯収入などにより異なります。
- 入居期間
長期利用可。
状態が安定し、医療的ケアが必要なくなると退去を促される場合もあります。
- メリット・デメリット
◎メリット
- 病気を抱えていたり、要介護度が高くても入居できる
- 医師・看護師が常勤しており、医療体制に安心感がある
- 病状が悪化したら一般病棟へ移ることができ、看取り介護にも対応
✕デメリット
- 病床数が少なくなっており、新たな入居は難しい
- 4人部屋(多床室)になる可能性が高い
- 買い物などの生活援助や、レクリエーションなどは少ない
- 介護職の仕事内容
入居条件は要介護1以上となっていますが、実際には要介護4以上の利用者が多いです。
そのため、介護職員の仕事内容は食事・入浴・排せつなどの身体介護がメインとなり、リハビリ専門スタッフや看護師の補助も行います。
長期入院のような生活を送る利用者に対し、生活面だけでなく心の支えとなることも重要な役割です。
介護保険施設とは、公的施設の中でも、介護保険法に基づいて自治体の指定を受けた施設のことを指します。
介護保険施設では、月の利用料金に介護保険が適用されるほか、所得によっては利用料が減額となることもあり、介護費用を抑えることができます。
そのほかには、医師や看護師、介護職員の配置基準や、部屋の面積が決まっているなどの特徴があります。
では次に、公的施設の中でも、様々な事情を抱える高齢者のサポートを目的とした、一般的な老人福祉施設について説明します。
ケアハウス(軽費老人ホーム)
ケアハウス(軽費老人ホーム)とは
ケアハウス(軽費老人ホーム)は、様々な理由で家族との同居や一人暮らしが難しい高齢者に対し、食事や生活援助などのサービスを提供する施設です。
自治体の助成を受けることで、低料金で利用できます。
軽費老人ホームには、食事サービスを提供する「A型」、自炊ができる人向けの「B型」、食事や生活援助などのサービスを提供する「C型」があります。
「C型」はケアハウスと呼ばれており、現在ではケアハウスへの一本化が進んでいます。
ケアハウスには「一般型」と「介護型」があり、どちらも食事や生活援助などのサービスを受けることができます。
「介護型」の場合は、さらに身体介護や機能訓練などがサービス内容に含まれます。
- 入居条件
60歳以上の単身者、またはいずれかが60歳以上である高齢者夫婦。
介護型ケアハウスの場合は、65歳以上かつ要介護1以上の認定が必要です。
- 人員体制
介護型ケアハウスの場合は、介護職員や看護師が常駐しており、24時間体制で介護サービスを受けることができます。
一方、一般型ケアハウスの場合は、外部の訪問介護サービスを利用することになります。
医療体制としては、外部の医療機関と連携して緊急時に対応しています。
- 介護保険の適用可否
○
- 医療保険の適用可否
✕
- 費用(目安)
- 初期費用:0~数十万円
- 月額費用:6~20万円
介護型ケアハウスは、初期費用に数百万円程度かかる場合もあります。
- 入居期間
原則、長期利用。
一般型ケアハウスは、入居後に要介護度が高くなると住み続けることが難しい場合があります。
- メリット・デメリット
◎メリット
- 有料老人ホームに比べ、費用が安く抑えられる
- 条件によっては、生活保護受給者も入居可能
- 居室は個室か準個室のため、プライベートな空間が確保できる
✕デメリット
- 一般型ケアハウスは、介護サービスを外部に依頼する必要がある
- 介護型ケアハウスは、費用が高くなる可能性がある
- 医師は常駐していないため、医療的ケアは限定的な面も
- 介護職の仕事内容
一般型ケアハウスでは、食事の提供や掃除、洗濯、買い物などの生活援助を行い、利用者の自立的な暮らしをサポートします。
介護型ケアハウスでは、上記に加え、入居者の要介護度に応じて入浴・食事・排せつなどの身体介護も行います。
養護老人ホーム
養護老人ホームとは
養護老人ホームは、様々な事情により、家族との同居や一人暮らしが難しい高齢者の生活を支えるための施設です。
入居には、地方自治体による審査が必要となります。
有料老人ホームに比べて低料金で、食事の提供や日常生活のサポートを受けることができます。
養護老人ホームには介護職員の配置基準が設けられておらず、介護が必要な場合は介護保険サービスを別に契約する必要があります。
- 入居条件
原則、65歳以上かつ介護を必要としない高齢者。
生活保護を受けている、所得が少ないなど経済的に困っている人や、自宅での生活が困難な人が対象となります。
上記の条件を満たしていても、入居時に要介護1以上の認定を受けていると対象外になります。
- 人員体制
医師や看護師の配置が義務づけられている一方で、介護職員の配置基準は設けられていません。
- 介護保険の適用可否
✕
- 医療保険の適用可否
✕
- 費用(目安)
- 初期費用:原則なし
- 月額費用:10万円前後
- 入居期間
長期利用可。
入居後に、要介護度が高くなると住み続けることが難しい場合があります。
- メリット・デメリット
◎メリット
- 初期費用がなく、月額費用も低く抑えられる
- 夜間も職員が常駐しているので、安心感がある
- スタッフのサポートを受けながら、自立した生活を過ごすことができる
✕デメリット
- 自治体による審査を通らなければ入居できない
- 施設数・定員数が少ないので入居が困難
- 入居後に要介護度が高くなると、住み続けることが難しい場合がある
- 介護職の仕事内容
養護老人ホームでは支援員として、自立度の高い利用者に対し、食事の提供や掃除、洗濯、買い物などの生活援助を行います。
最近では、要介護度の高い人も多くなってきているため、身体介護も行うことがあるようです。
生活相談員は、利用者に代わって各種費用の納付手続きを行ったり、経済的な相談に応じたりすることで、生活上の不安を払しょくする大切な役割を担っています。
まずは、民間施設の代表格となる有料老人ホームから見ていきましょう。
有料老人ホームには、利用者の要介護度に応じて「介護付き」「住宅型」「健康型」と3つに分かれており、それぞれサービス内容や費用が異なります。
では、それぞれの違いについて説明します。
介護付き有料老人ホーム
介護付き有料老人ホームとは
介護付き有料老人ホームは、要介護度が高く、自宅での生活が難しい高齢者に対し、手厚い介護サービスを提供する施設です。
有料老人ホームの中でも、介護スタッフの数や設備など様々な基準を満たし、「特定施設入居者生活介護」の指定を受けた施設を「介護付き有料老人ホーム」と呼びます。
介護付き有料老人ホームでは、食事・入浴・排せつなどの身体介護から、掃除・洗濯・買い物などの生活援助まで、幅広い介護サービスを受けることができます。
介護付き有料老人ホームには、介護が必要な人向けの「介護専用型」と、自立の方も入居できる「混合型」の2タイプがあります。
- 入居条件
原則、65歳以上。施設によって年齢制限が異なります。
「介護専用型」は要介護1以上、「混合型」は自立している方も入居できます。
- 人員体制
どの施設でも介護職員は常駐していますが、医療体制の充実度は施設によって異なります。
医療機関を併設していたり、看護師が24時間常駐している施設もありますが、その分費用が高くなる可能性があります。
- 介護保険の適用可否
○
- 医療保険の適用可否
✕
- 費用(目安)
- 初期費用:0~数百万円
- 月額費用:15~30万円前後
- 入居期間
終身利用可。
- メリット・デメリット
◎メリット
- 生活援助から身体介護まで、幅広い介護サービスを受けられる
- 24時間の介護体制が整っているので、要介護度の高い方も安心感がある
- 医療クリニック併設やホテルのような外観など、施設によって特色がある
✕デメリット
- 入居一時金として数万~数百万円かかるなど、公的施設に比べて費用がかかる
- 要介護度が低いと入居が難しい
- 施設によってサービスや費用が異なるので、慎重に選ぶ必要がある
- 介護職の仕事内容
利用者の要介護度に応じて、食事・入浴・排せつなどの身体介護から、掃除・洗濯・買い物などの生活援助まで行います。
また、レクリエーションやサークル活動、イベントが盛んな施設では、各企画の運営も担当します。
食事の提供方法や余暇の過ごし方など、施設の特色によって仕事内容も変わります。
住宅型有料老人ホーム
住宅型有料老人ホームとは
住宅型有料老人ホームは、自立度は高いけれど、自宅での暮らしに不安を感じる高齢者に対し、自宅と同じような生活をサポートするための施設です。
食事の提供や掃除、洗濯、買い物などの生活援助に加え、見守り、健康管理サービスなどを受けることができます。
身体介護が必要な場合は、外部から訪問介護サービスを別に契約する必要があります。
高齢者の状態に応じた様々な施設があるため、予算やライフスタイルに応じて入居先を選ぶことができます。
- 入居条件
原則、60歳以上で共同生活が送れる高齢者。
そのほか、独自の条件を設けている施設もあります。
- 人員体制
介護職員や医療スタッフの配置基準は設けられていませんが、施設によっては常駐しているところもあります。
- 介護保険の適用可否
△
(施設内では適用不可、外部の訪問介護サービスなどには適用可能)
- 医療保険の適用可否
✕
- 費用(目安)
- 初期費用:0~数百万円
- 月額費用:15~30万円前後
外部から訪問介護サービスを受ける際には別に契約が必要です。介護保険が適用されるため、自己負担金は利用料の1~2割になります。
- 入居期間
終身利用可。
入居後に要介護度が高くなると、住み続けることが難しい場合があります。
- メリット・デメリット
◎メリット
- 要介護度が低くても入居できる
- 外部の介護サービスを自由に選択して併用できる
- イベントやレクリエーション、サークル活動が充実している
✕デメリット
- 入居後に要介護度が高くなると、住み続けることが難しい場合がある
- 公的施設に比べて入居費用が高い
- 外部の介護サービスの利用回数が増えると、費用がかかる
- 介護職の仕事内容
自立度の高い利用者が多いため、身体介護は少なく、食事の準備や掃除・洗濯・買い物、見守りなどが中心となります。
レクリエーションやサークル活動、イベントが盛んな施設では、各企画の運営も担当します。
また、敷地内に「居宅介護支援事業所」や「訪問介護事業所」を設けている施設では、身体介護を必要とする利用者の部屋へ訪問し、食事・入浴・排せつ介助などを行います。
健康型有料老人ホーム
健康型有料老人ホームとは
健康型有料老人ホームは、生活する上で介護の必要がない、元気な高齢者が老後を生き生きと暮らすための施設です。
健康型有料老人ホームでは、食事の提供や掃除、洗濯、買い物などの生活援助や、見守り、緊急対応サービスなどを受けることができます。
また、日常的にイベントやレクリエーション、行事などが充実しているのも大きな特徴です。
施設によっては、露天風呂やジム、カラオケなどの設備が充実しているところもあります。
現在では介護が必要な高齢者が増加しているため、健康型有料老人ホームの数は全有料老人ホームの1%以下になっています。(※)
- 入居条件
原則、60歳以上かつ介護を必要としない高齢者。
- 人員体制
介護を必要としない元気な高齢者のための施設ですので、介護・医療体制は充実していません。
- 介護保険の適用可否
✕
- 医療保険の適用可否
✕
- 費用(目安)
- 初期費用:0~数百万円
- 月額費用:10~40万円前後
- 入居期間
入居中に要介護認定を受けたり、認知症を発症すると退去を促される場合もあります。
- メリット・デメリット
◎メリット
- 「元気だが一人暮らしは不安」という方も入居できる
- 設備が充実しており、ホテルに暮らしているような快適さを味わえる
- レクリエーションやイベントが多い
✕デメリット
- 他の有料老人ホームに比べ、費用が高い
- 介護が必必要になると、退去を促される場合がある
- 施設数が少なくなっているため、入居が難しい
- 介護職の仕事内容
介護を必要としない元気な利用者が多いため、身体介護はほぼ行いません。
健康型有料老人ホームでは、施設スタッフとして、食事の準備や掃除・洗濯・買い物、見守りなど、生活上での最低限のサポートが仕事内容となります。
他に、レクリエーションやイベントなどの企画運営、施設内にある設備の管理なども行います。
それでは、他の民間施設についても見ていきましょう。
サービス付き高齢者向け住宅
サービス付き高齢者向け住宅とは
サービス付き高齢者向け住宅は、主に介護の必要がなく、自立度の高い高齢者のための賃貸住宅で、「サ高住」と呼ばれています。
2011年に、「高齢者住まい法」が改正され、高齢者専用賃貸住宅、高齢者向け優良賃貸住宅、高齢者円滑入居賃貸住宅が一本化して、サービス付き高齢者向け住宅が誕生しました。
サ高住には、自立~軽度の方向けの「一般型」と、介護が必要な方向けの「介護型」があります。
いずれのタイプでも、安否確認と生活相談サービスを受けることができます。
もし「一般型」に住んでいて介護が必要になった場合は、外部の訪問介護サービスを別に契約することになります。
有料老人ホームに比べて費用が安く、自由度の高さが人気のサ高住は、年々件数が増えてきています。
- 入居条件
原則、60歳以上。
40歳以上でも、要介護または要支援認定を受けている場合は入居が認められます。
そのほか、独自の条件を設けている住宅もあります。
- 人員体制
日中は、介護や看護など有資格者の常勤が義務づけられています。
夜間の人員体制には配置基準がなく、緊急時に駆けつけられる体制となっています。
- 介護保険の適用可否
△
(「一般型」の場合、外部の訪問介護サービスなどには適用可能)
- 医療保険の適用可否
✕
- 費用(目安)
- 初期費用:0~数十万円程度(敷金として家賃の2か月分程度)
- 月額費用:5~30万円
- 「介護型」は有料老人ホームと同等の費用となります
- 入居期間
長期利用可。
- メリット・デメリット
◎メリット
- 要介護度が低くても入居できる
- 有料老人ホームより費用が安い
- 施設の出入りに制限がないなど、生活の自由度が高い
✕デメリット
- 要介護度が高いと入居が難しい
- 医師・看護師が常駐していない施設では、医療的ケアが十分ではない場合もある
- 入居後に要介護度が高くなると、住み続けることが難しい場合がある
- 介護職の仕事内容
サ高住では、施設スタッフか、敷地内の訪問介護スタッフとして働くかによって、仕事内容が異なります。
施設スタッフとして働く場合は、介護サービスの手配、レクリエーションの運営、安否確認などを行います。
敷地内に併設している訪問介護事業所のスタッフとして働く場合は、介護を必要とする利用者の部屋を訪問し、食事・入浴・排せつなどの身体介護を行います。
サ高住によって、施設スタッフか、介護事業所のスタッフどちらかの専任として働く場合や、兼任する場合があります。
▼サービス付き高齢者向け住宅の仕事内容についてもっと知りたい方はこちら
グループホーム(認知症対応型共同生活介護)
グループホームとは
グループホームは、主に軽度の認知症の症状を持つ高齢者が、自立した生活と認知症の進行を緩めることを目的とし、少人数の共同生活を行う施設です。
9人ごとにひとつの「ユニット」というグループに分け、1施設の定員は最大18名となります。
少人数で共同生活を過ごすため、アットホームな雰囲気が特徴です。
グループホームでは、認知症に詳しい介護職員のサポートを受けながら、食事や掃除、洗濯などを自分たちで行い、機能訓練やレクリエーションにも参加します。
医療的ケアは対応していない施設が多く、症状や身体状態が悪化すると入居の継続が難しくなります。
- 入居条件
原則、65歳以上かつ、要支援2~要介護5の認知症患者。
地域密着型サービスのため、グループホームのある市町村に利用者の住民票があることも必須条件になります。
- 人員体制
介護職員は24時間体制で常駐していますが、医療スタッフの配置基準は設けられていません。
医療体制については、週に数回看護師が訪問して健康管理を行ったり、医療機関と提携して緊急時に対応するなど、施設によって異なります。
- 介護保険の適用可否
○
- 医療保険の適用可否
✕
- 費用(目安)
- 初期費用:0~数百万円
- 月額費用:10~30万円
部屋のタイプや世帯収入などにより異なります。
- 入居期間
長期利用可。
ただし、自立した生活が困難になったり、日常的な医療的ケアが必要になったりした場合は、住み続けることが難しい場合があります。
- メリット・デメリット
◎メリット
- 認知症ケアに詳しいスタッフが常駐しているので、安心感がある
- 少人数でアットホームな雰囲気のなか生活できる
- 個室か準個室が多く、プライベート空間が確保できる
✕デメリット
- 定員数が少ないため、入居待ちになる可能性がある
- 医師は常駐していないため、医療的ケアは限定的な面も
- 要介護度が進んだり、医療的ケアが必要になると住み続けることが難しい場合がある
- 介護職の仕事内容
認知症の症状を持つ利用者に対し、共同生活をするためのサポートを行います。
仕事内容は、利用者が調理・掃除などを行う際に手伝ったり、買い物の付添い、菜園の手入れなどになります。
また、認知症の進行緩和を目的としたリハビリの補助やレクリエーションも行います。
家族のような付き合いを通じ、穏やかな生活をサポートします。
▼グループホームの仕事内容についてもっと知りたい方はこちら
ここで、これまでに説明した各施設の違いがわかりやすいように、一覧表にまとめてみました。
■公的施設
施 設 種 別 |
認 知 症 |
医 療 体 制 |
看 取 り |
費 用 |
|
---|---|---|---|---|---|
介護保険施設 | |||||
特養 | |||||
老健 | |||||
療養型 | |||||
福祉施設 | |||||
ケア ハウス |
|||||
養護老人 ホーム |
■民間施設
施 設 種 別 |
認 知 症 |
医 療 体 制 |
看 取 り |
費 用 |
|
---|---|---|---|---|---|
有料老人ホーム | |||||
介護付き | |||||
住宅型 | |||||
健康型 | |||||
その他 | |||||
サ高住 | |||||
グループ ホーム |
同じ種類の介護施設でも、サービス内容や人員体制などの細かな内容は異なります。
まずは施設種別ごとの違いを知り、大まかな方向性が決まったら、その中でどのような施設があるかを調べて、比較検討しましょう。
最後に、入所サービス以外の介護サービスについてもご紹介します。
訪問介護
訪問介護とは
訪問介護は、ホームヘルパー(訪問介護員)が高齢者の自宅へ伺い、自宅で暮らすために必要な介護を行う介護サービスです。
食事・入浴・排せつなどの身体介護から、調理や洗濯など身の回りのお世話まで、一人ひとりの要介護度やニーズに合わせたサービスを受けることができます。
訪問する回数や1回あたりのサービス提供時間は、プランによって決められています。
また、要介護度が高く入浴が困難な人に向けた訪問入浴介護や、医療的なケアを自宅で受けられる訪問看護もあります。
- 利用条件
原則、要介護1以上。
要支援1~2の方も、「介護予防訪問介護(介護予防のためのサービス)」として利用できます。
- 人員体制
原則、「介護職員初任者研修(旧ホームヘルパー2級)」以上の資格を持つホームヘルパー(訪問介護員)が1名で行います。
- 介護保険の適用可否
○
- 医療保険の適用可否
✕
- 費用(目安)
訪問介護サービスの費用は、サービスの種類と利用時間などによって金額が計算されます。
たとえば、1時間程度の身体介護を受ける場合、1回につき400~500円程度の自己負担金を支払うことになります。
利用者が支払う費用は、自己負担割合や市区町村、事業所によっても異なります。
- メリット・デメリット
◎メリット
- 住み慣れた自宅で、自立的な生活を送ることができる
- 老人ホームなどに比べて費用が安い
- 家族の介護負担を軽減できる
✕デメリット
- ヘルパーとの相性が合わない場合もある
- 在宅介護に対応したリフォームが必要になると、費用がかかる
- 要介護度が高くなると、訪問介護だけではカバーしきれなくなる
- 介護職の仕事内容
利用者が住み慣れた家で心地よく暮らせるよう、家事手伝いや買い物、外出時のサポート、入浴・排せつ・移乗などの身体介護も行います。
利用者の自宅に上がり、1対1で介護サービスを提供するため、利用者から信頼・安心できる存在と思ってもらう関係づくりが大切です。
デイサービス(通所介護)
デイサービスとは
デイサービスは、自宅からの送迎付きで食事や入浴、レクリエーションなどを受けることができる日帰り施設です。
普段は自宅にいる利用者が、外に出て身体を動かしたり、他の利用者と交流することで、ストレス軽減や閉じこもり防止を図ります。
デイサービスは施設によって特色が様々で、機能訓練特化型のリハビリデイサービスと呼ばれる施設もあります。
デイサービスより本格的なリハビリが必要な人は、リハビリ専門スタッフのいるデイケアへ通うことになります。
- 入居条件
原則、要介護1~5。
要支援1~2の方も「介護予防通所介護(介護予防のためのサービス)」として利用できます。
- 人員体制
施設の規模によって、看護師または介護職員の人数が異なります。
小規模デイサービスでも、リハビリ専門スタッフは1名以上の配置が定められています。
- 介護保険の適用可否
○
- 医療保険の適用可否
✕
- 費用(目安)
規模によって異なる。
- 入居期間
長期利用可。
ただし、自立した生活が困難になったり、日常的な医療的ケアが必要になると、住み続けることが難しい場合があります。
- メリット・デメリット
◎メリット
- 外に出ることで気分がリフレッシュされる
- 機能訓練により、自立した生活の継続を目指すことができる
- 食事や入浴が困難な場合は、介護職員がサポートしてくれる
✕デメリット
- 施設の雰囲気や他の利用者と合わない場合は、ストレスを感じることも
- 多く通う場合は、費用がかかる可能性がある
- 日常的な医療的ケアが必要になると、通えない場合も
- 介護職の仕事内容
施設に通う利用者に対し、自宅からの送迎から施設内で楽しく過ごすためのサポートを行います。
利用者が施設にいる間は、食事・入浴・排せつなどの身体介護やレクリエーションの運営、機能訓練の補助なども仕事内容に含まれます。
利用者によって施設に通う目的は異なりますが、リフレッシュできる場となるような雰囲気・サービス作りが大切です。
▼デイサービスの仕事内容についてもっと知りたい方はこちら
小規模多機能型居宅介護
小規模多機能型居宅介護とは
小規模多機能型居宅介護は、デイサービスを中心に、訪問介護やショートステイ(短期の宿泊)にも対応できる施設です。
通称「ショウタキ」と呼ばれています。
ひとつの施設で一貫して介護サービスを提供するため、利用者の状態や環境を把握でき、柔軟な対応が期待できます。
定員は、1事業所につき29人以下の登録制となっています。
その中で、1日に利用できる通所サービスの定員は15人以下、宿泊は9人以下になります。
- 利用条件
原則、要介護1以上。
要支援1~2の方は、「介護予防小規模多機能型居宅介護(介護予防のためのサービス)」として利用できます。
地域密着型サービスのため、小規模多機能型居宅介護のある市町村に利用者の住民票があることも必須条件になります。
- 人員体制
介護職員は常駐していますが、看護師や准看護師については配置が定められているものの常駐とは限りません。
医療的なケアを必要とする場合は、看護師が手厚く配置されている「看護小規模多機能型居宅介護(カンタキ)」を選んだ方がよいでしょう。
- 介護保険の適用可否
○
- 医療保険の適用可否
✕
- 費用(目安)
利用料は1か月の定額制で、要介護度によって料金が異なります。
別途、宿泊費・食費・日常生活費(おむつ代など)が加算されます。
- メリット・デメリット
◎メリット
- 1事業所で完結するので、サービス毎にケアプランを作成する必要がない
- 少人数制・地域限定なので、アットホームな雰囲気がある
- 本人や家族の都合に応じてサービスを使い分けられる
✕デメリット
- 小規模多機能型居宅介護を利用する場合、他の訪問介護やデイサービスを利用できない
- すでに担当ケアマネがいる場合、ケアマネを変える必要がある
- 定額制なので、サービスをあまり利用しない場合は割高感がある
- 介護職の仕事内容
訪問介護・デイサービス・ショートステイと、一通りのサービスを提供する小規模多機能型居宅介護では、利用者の身体介護から生活援助、レクリエーション、送迎まで様々な仕事を担当します。
日々の状況によって、ショートステイの利用者が入ったり、デイサービスの人数が変更になったりするので、臨機応変な対応が求められます。
定員制で人の出入りが激しくないため、利用者とじっくり向き合って対応することができます。
介護施設を選ぶ時に見るべき4つのポイント
ここまでで、各施設についてだいぶ掴めてきたかと思いますので、これからは実際に介護施設を選ぶ時に役立つ情報をお届けします。
介護施設を選ぶ際には、資料請求や施設見学などを行いますが、その時に見るべきチェックポイントをまとめました。
それでは、見ていきましょう!
費用
まず、老人ホーム・介護施設を選ぶ際に重要なポイントとなるのが費用です。
きっちりと資金計画を立てて、無理なく支払い続けられる施設を選びましょう。
有料老人ホームでは、月々に発生する月額利用料のほかに、入居一時金が必要となります。
入居一時金は、施設によって0円~数百万円まで幅広く設定されています。
入居一時金が低い場合は、月額利用料が高く設定されている可能性もあるので、よく検討しましょう。
また、入居一時金には、もし償却期間中に退去した場合、償却しきれなかった分のお金が戻ってくる「償却期間」が設けられています。
償却期間は施設によって様々なので、入居前に確認しておくとよいでしょう。
立地・周辺環境
施設の立地や周辺環境は、入居する方の自立度に応じて重視すべきポイントが変わってきます。
たとえば、入居する方が施設から外出できるのであれば、住み慣れた地であったり、自然の豊かさなどの周辺環境が重要になります。
反対に、入居する方の要介護度が高く、施設内での生活が多くなるようであれば、家族にとって通いやすい立地であることが重要になります。
入居する方の希望はもちろんのこと、家族にとっても便利な場所を選ぶとよいでしょう。
他にも、近隣に医療機関やスーパー・コンビニなどがあるかどうか、駐車場の有無などもチェックしておくとよいでしょう。
食事・サービス内容
入居前に、介護や医療体制についてはしっかり確認する方が多いとは思いますが、日々の暮らしを彩る食事や、その他のサービスについても細かくチェックしておきましょう。
食事は、施設内で働いている調理師や栄養士が調理するところや、外注しているところなど、施設によって様々です。
療養食など個別対応は可能かどうか、行事食などに力を入れているかなどを確認しておきましょう。
その他のサービスに関するチェックポイントとしては、掃除や洗濯、買い物などはどこまでやってもらえるか、理美容サービスの有無、レクリエーションやイベントの頻度などがあります。
こうした点についても事前に確認しておくと、入居後の生活が想像しやすくなります。
介護スタッフの数と質
手厚い介護サービスを受けられるかどうかは、介護スタッフの数によって変わります。
一般的な配置基準としては、「3:1」といって、利用者3名に対し1名の介護スタッフがつきます。これより人数が多ければ、充実した介護サービスを受けられる可能性が高いです。
夜間は日中に比べて介護スタッフが少なくなりますが、緊急時の対応などについてはあらかじめ確認しておくとよいでしょう。
また、数だけではなく、介護スタッフの質についてもチェックしましょう。
見学や体験入居を活用して、介護スタッフの入居者に対する態度やスタッフ同士の会話、みだしなみなどを通じ、雰囲気を掴みましょう。
離職率の高い施設では、スタッフのスキルにバラつきが出やすいので、見学時などにはスタッフの平均勤務年数について聞いてみるとよいでしょう。
これら4つのポイントを参考に、入居する方やご家族の希望・優先順位を整理して、最適な介護施設を選びましょう。
介護施設へ入居するまでの流れ
最後に、老人ホーム・介護施設へ実際に入居する際の、問い合わせから入居までの一般的な流れについて説明します。
電話・メール・訪問にて、施設へ問い合わせを行います。
その際に、利用者の状態や施設に対する希望などを伝えられるように、 あらかじめ整理しておきましょう。
見学可能な場合は、積極的に施設を見学しておきましょう。
見学時には、サービス内容など気になる点を確認しつつ、職員の対応もチェックします。
見学は一人で行くのではなく、複数人で行くと様々な観点から判断できます。
見学して気に入ったら、入居の申し込みを行います。
申し込みには、申込書の他に介護保険証の写しなど様々な書類が必要となりますので、施設の指示に従って用意しましょう。
書類が揃い、手続きや審査が済んだら、いよいよ契約となります。
契約時には、後でトラブルにならないよう、契約内容や重要事項説明書などをしっかりと確認しましょう。
その後、入居日を決めて引っ越しを行い、施設での生活がスタートします。
体験入居では、見学だけではわからない点についても確認できるので、本契約の前にしておくと安心感があります。
一般的に、体験入居も含めると入居までに1か月半~2か月くらいかかると言われています。
急ぐ場合は、取得に時間のかかる健康診断書などを早めに用意しておくとよいでしょう。
また、特別養護老人ホームなど入居待ちが多い施設では、入居が決まったとしても、待機者として順番を待つ場合もあります。
障害者福祉サービスの種類と仕事内容を紹介
これまでに紹介した老人ホームや介護施設は、福祉サービスの中でも高齢者を対象にした施設になります。
ここでは、同じ福祉サービスの中でも、障害を持つ方を対象にした障がい者施設や障害者福祉施設と呼ばれる施設について、特徴や仕事内容などを紹介します。
施設を探している方も、働きたいと考えている方も、ぜひ参考にしてくださいね。
放課後等デイサービス
放課後等デイサービスとは
放課後等デイサービスは、主に6歳~18歳までの障害を持つ子どもたちに対し、生活能力の向上や社会との交流を促進するための施設です。
以前は児童デイサービスとして、未就学児と就学児が共に通う形態でしたが、2012年の児童福祉法の改正により、未就学児を対象とした「児童発達支援」と、就学児を対象とした「放課後等デイサービス」に分かれました。
子どもたちは、放課後や夏休みなどの長期休暇に施設へ通い、創作や作業活動、遊び、地域との交流などの活動を行います。
費用は所得に応じて異なり、利用を希望する場合は市町村に申し込みが必要です。
- 放課後等デイサービスで働くなら…
児童発達支援管理責任者になるには資格が必要ですが、指導員として働く場合には、特別な資格は必要ありません。
介護福祉士・社会福祉士・保育士などの資格を持っていると、条件が優遇される可能性があります。
仕事内容としては、子どもたちの送迎からはじまり、遊びや活動のサポート、給食やおやつの提供などがあります。
子どもの成長や笑顔にやりがいを感じると共に、自らも学ぶことが多い仕事と言えるでしょう。
障害者グループホーム
障害者グループホームとは
障害者グループホームは、知的・身体・精神障害などを持つ方や難病の方が、入浴や排せつ・食事などの介護を受けながら共同生活を行う施設です。
地域のマンションや一軒家に数名で暮らしながら、身体・精神状態の安定、自立支援、社会での孤立の防止などを目指します。
障害者グループホームには、介護サービスを外部から依頼する「外部サービス利用型」と、住居に配置された生活援助員が介護を行う「介護サービス包括型」、施設の近隣での一人暮らしを支援する形態の「サテライト型住居」があります。
費用は世帯の所得に応じて異なり、利用料の他に食材費、光熱水費、居住費などの実費負担があります。
利用を希望する場合は、市町村の障害福祉担当窓口に申請します。
- 障害者グループホームで働くなら…
世話人や生活援助員として働く場合、資格や経験は必要ありません。
介護職の経験や資格があれば、条件が優遇される可能性があります。
仕事内容は、利用者の食事・入浴・排せつなどの身体介護から、掃除など身の回りの世話、レクリエーションの運営、生活上での相談などを行います。
一人ひとり必要なサービスが異なるので、しっかり向き合い、信頼関係を築くことが必要になります。
本コラムは、「かいご畑」を運営する株式会社ニッソーネットが、専門家の監修のもと執筆しています。
■監修者
野口 哲也
( のぐち てつや )
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