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- 介護職を辞めたい理由・ストレスの原因は?悩みの解決策とよい職場へ転職する方法|かいごのお仕事コラム
更新日: (公開日:)
介護職を辞めたい理由・ストレスの原因は?悩みの解決策とよい職場へ転職する方法
介護職として働いている人は、どんな時に「介護職を辞めたい」と感じるのでしょうか?
今まさに介護職をしている人も、これから介護職をはじめようと考えている人も、とても気になる問題だと思います。
介護の仕事はやりがいがある一方で、介護職ならではの悩みやストレスを抱えている人は少なくありません。
「辛い状況から抜け出したいけど、どうすればいいかわからず、仕事を辞めたい」と、悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
今回は、介護職の方々がどんな理由で介護職を辞めたいと感じているか、まとめてみました。
また、辞めたいと感じた時の解決策や、それでも辞める決断をした場合に役立つ転職方法もお届けします。
ぜひ、参考にしてみてくださいね。
けあ子
ひよっこ介護士。
腰痛対策とダイエットを兼ねてヨガをはじめるも3日で挫折。ヨガマットはお昼寝用に使われている。
かいごろにゃん
かいご畑に住みついたネコのようないきもの。
介護業界に詳しく、けあ子のよき相談役。実は腹黒という噂も!?
介護職が「辞めたい」と感じる7つの悩みとは?
「きつい」と言われることが多い介護職。
働く上で、悩みや不安を抱えている人は多いのではないでしょうか。
代表的な悩みを7つご紹介しましょう。
- 人手が足りない
- 仕事内容のわりに給料が安い
- 腰痛など、身体的な負担が大きい
- 社会的評価が低い
- 精神的にきつい
- 有休や休憩が取りにくい
- 夜勤の緊急対応が不安
※出典:「介護労働の現状について/公益財団法人 介護労働安定センター」
人手不足で業務に忙殺される日々が続いたり、頑張りに対して報酬や世間の評価が見合わなかったりすると、がっかりして「辞めたい」と感じることがあるかもしれません。
身体介護で重い利用者を支えることで腰痛になったり、利用者とのやり取りに疲弊したりと、心身にかかるストレスも大きいでしょう。
いろんな悩みや不安が積み重なると、介護職に理想や目標をもっていたとしても、「向いてない、辞めたい」となることがあります。
次の章では、実際に介護職を辞めた例を見てみましょう。
介護職を辞めた理由
トップ3
トップ3
ここでは、実際に介護職を辞めた人に聞いた、退職理由のトップ3をご紹介します。
(※出典:「介護人材の確保について」/厚生労働省)
また、辞めたいと感じる介護職のリアルな声も集めました。みんなの嘆きの声に、「あるある!」と思わず深くうなずいちゃうかも!?
介護職を辞めた理由【トップ1】
職場の人間関係が悪い(20.0%)
みんなのリアルな声
- 人間関係が悪く常に人が入れ替わるので、利用者さんもスタッフの顔をなかなか覚えられない。(40歳/女性)
- 少しでも自分と違う移乗の仕方をしている新人をみると、遠くからわざわざ文句を言いに来るベテラン。新人が仕事を辞めたいって相談してきてフォローが大変!(28歳/女性)
- お局さんはお気に入りの男性職員に声がワントーン上がる。自分は対象外みたいで、 ペアで介助するときのテンションがあからさまに低い。(30歳/男性)
- 社内恋愛はいいけど、ケンカする度に利用者さんへの言葉遣いが荒くなる。職場に持ち込まないでほしい。(31歳/女性)
10~60代まで、様々な年齢や経歴を持った人が集まる介護の職場では、意見や価値観の違いが生じることが多いです。
上司やリーダーはそういったスタッフをまとめないといけないのですが、統率力がなかったり、平等に接することができないと、余計に職場の雰囲気がどよ~んとしてしまうことも。
また、上司やリーダーと考え方や性格が合わず、接し方に困ってしまうという悩みもあるようです。
介護はチームプレイが要。だからこそ、人間関係の良し悪しが仕事に大きく影響するのですね。
▼人間関係の悩みや、改善方法について知りたい方はこちら介護職を辞めた理由【トップ2】
結婚・育児などライフステージの変化(18.3%)
みんなのリアルな声
- 休日も家族の料理・洗濯・掃除に追われもうクタクタ…。本当は体力温存したいのに~! (33歳/女性)
- 入浴介助当番の日に、子どもが急な病気に。同僚は「大丈夫だよ」と言ってくれるが、 やっぱり後ろめたい。(23歳/女性)
- 帰宅した夫とバトンタッチで夜勤に出発。仕事とは言え、すれ違いの日々にさびしさを感じる。(28歳/女性)
- 夫の母が子どもの世話を見てくれるけど、利用者さん以上に気を使う…。(26歳/女性)
男性職員が増えてきたとはいえ、まだまだ女性比率が高い介護業界。結婚や育児と仕事の両立は、切っても切り離せない悩みですよね。
「家庭や育児にかける時間や体力は確保したいけど、介護職では難しいかも…」。そう考えて、辞めたいと悩む人は多いようです。
また、職場のみんなはこころよく協力してくれるけど、自分自身がなんだか肩身が狭くなってしまい、最終的に辞めてしまうケースもあるようです。
介護職を辞めた理由【トップ3】
職場の理念・運営方法に不満(17.8%)
みんなのリアルな声
- 常に満床で人手不足の職場なのに、スタッフを増やしてくれない。現職員たちの口癖は 「疲れた」か「忙しい」。(30歳/女性)
- 必要以上にイベントが多い。スタッフだけでなく、利用者もぐったりしている原因になっていると思う。(25歳/女性)
- 「利用者一人ひとりを大切に」という理念に惹かれて入職したが、実際は効率重視で満足に 利用者さんとコミュニケーションが取れない職場だった。(35歳/男性)
- 毎日、朝礼での施設長のスピーチが、尋常じゃなく長い!(28歳/男性)
入職前に職場の実状を知るのは、なかなか難しいもの。
業務の進め方や利用者さんへの接し方について自分の考えとのギャップが続くと、些細なことでも気になりはじめて仕事へのモチベーションが下がってしまいます。
先輩や上司に相談しても、「これがうちの方針だから」と言われては、解決は難しいと感じて辞めたいと思ってしまうかもしれません。
特に、介護職は「思い」がないとできない仕事。その「思い」が強ければ強いほど、自分との考えの違いに深刻に悩んでしまう傾向にあるようです。
その他には、「給料や待遇に不満がある」「夜勤や残業が多い」「人手不足で、体力が持たない」などの声もありました。
みなさん、状況や環境は違えど、それぞれの理由から「辞めたい」と感じているようです。
一度辞めても、再び介護職に復帰したい人は多い!仕事自体の満足度は高いのが介護職
上記の「辞めたい理由トップ3」を見てみると、ある事実が判明します。それは、介護の仕事自体が合わなくて辞めたいと考える人は少ないということです。
こちらのグラフをご覧ください。
グラフを見ると、介護職を辞めたうちの約半数が、介護職としての復帰を希望していることがわかります。
介護の仕事そのものがイヤだったら、当然同じ職種に復職しようと思う人は少ないですよね。
介護の仕事は、高齢者のお世話をするだけでなく、人の心に寄り添い、自立した生活を支えるという、やりがいのある仕事です。
多くの介護職が、仕事に対しては、やりがいや楽しさを感じているようです。
介護職で働き続けることのメリットとは
これまでのデータから、介護職を辞めたい人の多くが、「介護の仕事は好きだけど、そのほかの理由から辞めたい」と考えていることがわかりました。せっかくの好きな仕事を辞めて、後悔するのはもったいないですよね。
また、介護職は働き続けることによって、下記のようなメリットも期待できます。
- 一生使えるスキルが身につく
- 年齢や性別、学歴などは関係なくキャリアアップできる
- 資格取得や役職に就くと給料アップが期待できる
- 景気の波に左右されないため、安定して長く働ける
今、職場で悩みや辛い思いを抱えている方も、「辞めたい」と考える前に、介護の仕事のやりがいや魅力、働き続けることのメリットなどを振り返ってみてもよいのではないでしょうか。
悩みやストレスを解消したい方におすすめ、辞めたい時の4つの解決策
今の職場に不満を感じて「辞めたい」と感じている方は、まずは状況改善に向けて取り組んでみてはいかがでしょうか。
ここでは、「もう耐えきれない!」を「もう少し頑張れるかも」に変える、とっておきの解決策をレクチャーします。
1.今ある環境を、スキルアップの場と捉える
例えば、先輩によって教わる介助のやり方がバラバラで困った場合、それを不満と捉えるのではなく、「様々なやり方を学べる場」と捉えてみてはどうでしょう。また、教わった時に感じたことを覚えておけば、自分が教える立場になった時に生かすことができます。
このように、介護の現場には自分自身がスキルアップできるチャンスがたくさんあります。
今の職場を、自分のスキルアップの場だと視点を変えてみることで、「もう少し続けてみよう」と感じられるかもしれません。
2.介護職一人ひとりの「介護観」が違うことを理解する
介護観とは、「サービスを通じて高齢者の方々にこういう生活をしてほしい」という、介護を行う上での理念になります。介護職員は一人ひとりが、自分なりの介護観を持って仕事をしています。
ですので、他のスタッフと意見や考え方の違いを感じた時も、頭ごなしに否定するのではなく、その人の介護観を知ることを心がけてみましょう。
そこで重要になってくるのがコミュニケーションです。
介護職が利用者さんとコミュニケーションを取る時の基本として教わる「傾聴」「受容」「共感」を職場でも生かしてみましょう。
苦手だなと思う人や、考え方が違うと思う人でも、まずは相手の話を受けとめながら聞くことで、その人なりの介護観を知り、「違い」を受け入れることができるかもしれません。
3.少し先の、将来のことを想像してみる
気持ちがどんよりしている状態では、つい今のことしか考えられなくなるものです。そういったときは、5年後、10年後を想像してみましょう。
「今は子どもが小さく、度々お休みをもらって職場に迷惑をかけているけど、子どもが大きくなれば、その分もがんばって恩返しできるかも」
「スキルアップしてまわりに認められたら、小さな不満が気にならなくなるかも」
「資格を取得したら給料が上がり、モチベーションが高くなるかも」
このように、少し先の、将来のことを想像してみることで目標もでき、今の辛い状況も些細なことに感じるかもしれません。
4.「仕事は仕事」と割り切ってみる
福祉の現場でも、仕事であることに変わりはありません。つまり、悩みや不満も含めて、報酬をもらっているのです。
少し冷静になり、「やりがい・楽しさ」「悩み・不満」「報酬」、この3つを天秤にかけてみましょう。
天秤にかけた結果、デメリットもあるけどメリットのほうが多いと感じれば、それは自分にとってよい仕事と言えるのではないでしょうか。
このように、自分の視点や考え方を少し変えるだけで、今までよりも楽な気持ちで仕事ができるのではないでしょうか。
今まさに介護職として働いている方も、これから介護職を目指す方も、「悩みやストレスが溜まって辛い…」という時は、ぜひこれらの解決策を試してみてくださいね。
こんな職場は要注意!辞めた方がいい介護施設の特徴とは
介護施設の中には、先にご紹介した4つの解決策を試すより前に辞めた方がいいという職場環境のところもあります。もし、下記の様な状況が続いている職場に勤めている場合は要注意です。
- 慢性的に残業や休日出勤を求められる
- 違法な医療行為を強いられる
- 夜勤の日数が10日以上ある
- 職場内でいじめやハラスメントが横行している
こうした職場の場合、無理して働き続けると心身に支障をきたしかねないため、早めの判断を下すことも大切です。
それでも辛いなら、転職という選択肢もあり。次のステップに向けた円満退職のポイント
今までの内容もふまえた上で、それでも「辞めたい」と判断したら、転職を考えてみましょう。転職を検討する際には、「異業種へ転職するか、介護職のまま新しい職場を探すか」で迷う方も多いかと思います。
将来のキャリアアップが具体的に描けるようであれば、異業種への転職にチャレンジしてみるのもよいかもしれません。
ただし、未経験からのスタートとなるため、給料や待遇は転職前より低くなる可能性があります。
また、20代のうちはいろいろな業界を経験してみるのもいいかもしれませんが、年齢を重ねるほどに採用の間口は狭くなる傾向にあります。
異業種への転職は、リスクや将来性を総合的に判断した上で行いましょう。
もしあなたが、先にご紹介したように、介護の仕事に対するやりがいや楽しさを感じているのであれば、介護職自体を辞めてしまうのではなく、介護業界で職場を変えることをおすすめします。
介護施設は職場によって働きやすさに差があるため、職場を変えることで今の不満や悩みが解消され、やりがいのある介護職ライフを続けられるようになります。
転職を決意したら、今の職場を退職するための準備を進めましょう。介護業界は狭いため、自分勝手な辞め方をすると「責任感がない」などのウワサが立ち、転職活動に影響する可能性もあります。
これからお伝えする円満退職のポイントを押さえて、気持ちよく次のステップへ進みましょう!
辞めるタイミングは計画的に決めよう
今の職場を円満に退職するには、計画性を持って取り組むことが必要です。衝動的に「辞めたい」と職場に伝えては同僚に迷惑がかかりますし、反対に「忙しそうだから言い出しにくい…」とズルズル引き延ばしていては、転職活動も捗りません。
まずは、自分が希望する転職時期を明確にすることからはじめましょう。
辞めるタイミングの目安としては、下記が挙げられます。
- 3か月ほど生活できる貯蓄ができた時
- 新人や後輩が仕事に慣れてきた時
- 上司や管理者に不満を伝えても改善されない時
- 体調を崩したり、私生活に影響が出てしまった時
また、他にも辞めるタイミングとしては、ボーナス支給後や組織変更のある年度末などに多くなる傾向があります。
転職時期のメドをつけたら、そこから逆算して退職のスケジュールを決めます。
仕事探しや退職手続きも含めて、転職希望日の3か月前くらいから退職準備を進めるとよいでしょう。
円満退職に向けた手続きの流れ
では実際に、円満退職に向けた流れを説明します。
就業規定などに特別の記載がなければ、職場に迷惑がかからないように、希望する退職時期の1~2か月前には直属の上司に退職の意思を伝えましょう。
上司から引き止められて迷うこともあるかと思いますが、意思が固い場合は明確に示しましょう。
その際に角が立たないように、今までの感謝も気持ちも併せて伝えることを忘れずに。
上司と話して退職日が決定したら、退職届を提出します。必ずしも手書きである必要はないので、無料のテンプレートを活用しましょう。
退職時期が確定したら、自分の希望に合う職場を探しましょう!求人情報の探し方や、よい職場を見つけるコツは後ほどくわしくお伝えします。
自分の仕事は後任にきっちり引き継ぎましょう。特に、担当している利用者さんの状態や注意事項などは見やすいようにまとめておき、誰でもわかるようにしておくとベターです。
会社から借りている備品は返却し、離職票など必要なものはいつもらえるか確認しておきましょう。
このように、きっちりとプランを立てて退職することで、新たな職場で心地よいスタートを切ることができます。
▼介護職の転職事情についてもっと知りたい方はこちら
よい職場へ転職する方法とは?4つの転職方法のメリット・デメリットを比較
せっかく転職したのに、前の職場と同じ悩みは抱えたくないですよね。ここでは、自分の希望に合った職場を効率よく探すために、4つの転職方法と、そのメリット・デメリットを比較してみました。
これから仕事を探す方はぜひ参考にしてみてください。
1.ハローワーク
- 地元の求人が多い
- 掲載費が無料なので、求人サイトには掲載されていない求人が見つかる
- ハローワークの職員と相談しながら職を探せる
- 求人の掲載費が無料のため、求人の質が低い場合もある
- 画像情報が少ないので、職場の雰囲気がつかみにくい
- ハローワークに出向く必要がある
- 「地元でアットホームな職場の求人を見つけたい」「失業の手続きと一緒に済ませたい」という人におすすめ
2.求人情報誌・求人サイト
- 求人の掲載量が多く、全国の求人を幅広く探せる
- 写真などで職場の雰囲気をつかみやすい
- 電話やネットでどこからでも気軽に求人へ応募できる
- 自分で希望にあった求人を探さなければならず、手間がかかる
- 写真で見る職場の雰囲気がよすぎて、現実とのギャップを感じる場合がある
- 応募から面接まで、自分で
調整しなければならない
- 「ひとつでも多くの求人から、自分で選びたい」「ゆっくり手間をかけて転職活動をする余裕がある」という人におすすめ
3.友人・知人の紹介
- 事前に職場の情報収集が可能
- 優先的に面接が受けられるなど、選考で有利に働く場合も
- 知っている人が働いている安心感がある
- 給与や条件面の交渉があいまいになってしまう可能性がある
- 入職後に関係性が崩れると働きづらくなる
- 紹介してもらった手前、辞めにくい
- 「一人で転職活動するのが不安」「なるべく手間をかけずに転職したい」という方におすすめ
4.転職エージェント
- コーディネーターが希望にあった求人を探してくれる
- 人間関係など、その職場のリアルな情報も聞ける
- 応募・面接の調整や、勤務時間・給与など、転職時の条件交渉もお任せできる
- コーディネーターへ自分の転職希望条件を伝えなければならない
- 業界に特化していない会社だと、求人数が少ない場合も
- 会社によって対応力に差が出るので、見極めが必要
- 「希望にあった職場を効率よく見つけたい」「転職活動にかける時間がない」という方におすすめ
まずは、自分がどのタイプかを考え、それにあった方法で転職活動を進めていくことで、効率よく自分に合った職場を見つけることができます。
▼転職エージェントの活用についてもっと知りたい方はこちら
「介護職は離職率が高い」とよく言われるけど、実際にはどうなのでしょうか?
データをもとに、介護職の離職の実態に迫ってみましょう!
1.介護職の離職率は年々低下傾向へ!
まずは、介護職の離職率の推移をご覧ください。
- 介護職の離職率の推移
- グラフは「介護労働の現状について/公益財団法人 介護労働安定センター」と「2019 年(令和元年)雇用動向調査結果の概況/厚生労働省」を参考に当社が作成
グラフから、介護職の離職率は年々低下し、全産業と比べてもほとんど差がないどころか、むしろ低くなっていることがわかります。
離職率が低下した理由としては、介護業界の人材不足を改善するため、国の施策や介護施設の取り組みにより、介護職にとって働きやすい環境が整ってきたことが挙げられます。
たとえば、「介護職員処遇改善加算」という制度では、介護職の給料が上がったり、資格取得支援制度が設けられたりなど、職場改善が進んでいます。
▼介護職員処遇改善加算についてもっと詳しく知りたい方はこちら
2.一方、介護職の離職率は、施設によって大きな差あり
それでは、施設別の離職率の状況はどうなっているのでしょうか。
- 介護施設の離職率の構成比(1年間)
- グラフは「介護人材の確保について/厚生労働省」を参考に当社が作成
グラフから、介護施設の約半数が、1年間の離職率が10%未満であることがわかります。
前述のとおり、多くの介護施設では、職場環境や労働条件の改善によって離職率は低くなっているようです。
ただ、1年間の離職率が30%以上と高い数値の介護施設も2割近くあるという現状もわかります。
つまり、離職率低減の取り組みは、まだまだ職場によって大きな差があるということになります。
施設の職場環境に対する取り組みによっても、私たちの働きやすさが変わるのね。
だから、自分の職場もそういった取り組みをしてくれているか、確認しておくことが必要だね。
うん。介護職員が仕事を辞めずに長く続けていくには、スタッフ自身の努力と施設の取り組み、どちらも欠かせないということね。
その通り。辞める決断をする前に、そのあたりをしっかり考えて、
後悔しないようにしたいね。
介護転職のプロに聞く!面接や職場見学で、働きやすさを見極めるコツ
転職活動の方法が決まれば、いよいよ求人への応募や面接、職場見学といったステージへ進みます。
その中で、働きやすくて自分に合う職場を見極めるには、どんな点に着目すればよいのでしょうか?
ここでは、介護業界での転職のプロ・厚生労働大臣認可の介護就職支援センター「かいご畑」の人材コーディネーターに、働きやすい職場を見極めるポイントを聞いてみました。
ふく夫
ここからは、「かいご畑」で介護職の方々の転職をお手伝いしている私、ふく夫が説明していきますね。
けあ子
よろしくお願いします!「今の職場を辞めたい」と考えている先輩がいるのですが、もし他の職場に面接を受けに行くのであれば、どんな点をチェックしたらいいのでしょうか?
ふく夫
そうですね、面接や職場見学で介護施設に行くときには、この3つのチェックポイントを確認しましょう。
- 施設内は清潔か?
- スタッフの年齢と、お互いの距離感はどうか?
- 管理者が現場をどれだけ理解しているか?
おお~!
ふく夫
それでは、一つずつ説明していきますね。
1.施設内は清潔か?
ふく夫まず、施設内の清潔さや整理整頓されているかどうかをチェックしましょう。
スタッフが業務に追われ、疲れすぎていると、どうしてもおろそかになるからです。
けあ子
確かに、みんなのちょっとした気配りがないと、なかなかきれいな環境は保てないですもんね。
ふく夫
その通り!
そこから、職場の業務量・チームワーク・教育体制などがわかります。
2.スタッフの年齢と、お互いの距離感はどうか?
ふく夫次に、スタッフの年齢層をチェックしましょう。
スタッフが定着している施設は、ベテランから中堅、若手職員までバランスよく揃っているところが多いです。
けあ子
なるほど、いろんな年齢層の方がいるってことは人間関係も良さそうですね。
ふく夫
そうですね。
人間関係の細かい部分は実際働いてみないとわからないですが、職場の雰囲気だけでも掴みたいですよね。
そういう時は、スタッフ同士のちょっとした会話を聞くのもいいかもしれません。ギスギスしているのは論外ですが、馴れ馴れしいのもいい職場とは言えないでしょう。
けあ子
わかりました!
3.管理者が現場をどれだけ理解しているか?
けあ子3番目のポイントでは、どういうことがわかるのですか?
ふく夫
これは、面接時のちょっとしたウラ技なんですが、施設長さんに実務レベルの少し詳しい質問をしてみるんです。これで、ある程度現場に詳しい方かどうかを確認できます。
けあ子
え?現場に詳しくない管理者さんなんているんですか?
ふく夫
現場のことは主任などに任せきりの管理者さんもたまにいるようです。そうなると、スタッフ間の衝突も起こりやすいですしね。
けあ子
なるほど~!
参考になりました!先輩に教えてあげよう♪
いかがでしたでしょうか?
希望にあった職場に出会うには、ちょっとしたコツも必要なようですね。
「かいご畑」ではこのように、介護転職のプロである人材コーディネーターがあなたの転職を全力でサポートしてくれます。
転職しようかどうか迷っている方はもちろんのこと、悩みについてまずは話を聞いてほしいという方でも大歓迎です。
ぜひ一度、相談してみてはいかがでしょうか。
- 仕事内容が理由で辞めたい介護職は少ない
- 自ら働きかけても状況が変わらないなら、転職もアリ
- 介護施設によって働きやすさに差があるので、職場選びが大切
介護職の就職・転職をサポートする「かいご畑」が、介護のお仕事や業界に関する情報をお届けする、お役立ちコラムです。
かいご畑では、介護の資格をもつコーディネーターが、今回お届けした情報など専門的な立場からお仕事探しのサポートを行います。
厚生労働大臣認可の就職支援センターなので、利用は無料です。
「お仕事に関する不安や、悩みを聞いてほしい」という相談だけでもOKですので、まずは気軽にご連絡ください!
みんな色々な悩みを持ちながら働いているのね…。先輩も、いろいろと解決策を試したうえで、新天地で介護職として頑張る道を選んでくれて良かった!
職場の雰囲気によって、向き不向きはあるからね。自分に合う職場で悩みやストレスなく好きな介護職が続けられるなら何よりだよ。…ところで、けあ子って悩みとかなさそうだよね。
何よ失礼しちゃう!私だって、休憩のおやつを何にするか真剣に悩んでるんだからっ。
きみって幸せなやつだよ…。
本コラムは、「かいご畑」を運営する株式会社ニッソーネットが、専門家の監修のもと執筆しています。
■監修者
野口 哲也
( のぐち てつや )
もっと詳しく知りたいという人のために、転職や退職についての豆知識をお届けするよ。ぜひ参考にしてみてね!
介護職の主なストレスの原因とストレス解消法
働いていると、仕事や職場環境に対してストレスを感じることは誰にでもあります。厚生労働省の調査でも、仕事でストレスを感じている人の割合は59.5%と、半数以上の人がストレスを抱えながら働いていることがわかります。
それでは、介護職の方はどのような時にストレスを感じ、どのように解消しているのでしょうか?
実際に介護職として働いている人の声を集めながら、お伝えしていきます!
介護職が感じる主なストレスとは?
まず、介護職が仕事や職場に感じるストレスについて、見てみましょう。先に、「介護職を辞めたい理由トップ3」をご紹介しましたが、その他に介護職の方がストレスを感じる時について集めてみました!
- 時間内にオムツ換えを終えたいと思っていても、利用者さんの状態によってはうまくいかない時も…自分のペースで仕事が進められない時にイラっとしてしまう。(32歳/女性)
- サービス残業や休日出勤が多く、いつも寝不足で体がだるい。(28歳/男性)
- 一人の時に、利用者さんが急変になったらどうしよう…と考えるとプレッシャーを感じる。(26歳/女性)
- 夜勤のリズムに体がなかなか慣れず、疲れがいつまでたっても抜けない。(23歳/女性)
このように、精神的・肉体的なストレスが続くと、仕事へのやる気を保つのが難しくなり、「介護職を辞めたい」と考えるようになってしまいます。
そのような事態を防ぐためには、まずご自身が抱えているストレスに気づき、対策することが必要です。
ストレスチェックで自分の疲れや悩みと向き合おう!
自分がどのようなストレスを抱えているかを気づくためには、定期的にストレスチェックを受けることをおすすめします。ストレスチェックとは、仕事や職場で受けているストレスを診断するテストのこと。50人以上の従業員を抱える職場では、ストレスチェックを年1回実施する義務があります。
もし、働いている介護施設でストレスチェックが実施されていないようであれば、自分のPCやスマホからでも簡単に受けることができます。費用はかからず、5分程度で完了するのでスキマ時間で受けられますよ。
現在のストレス度や改善するための効果的なアドバイスを見ることができるので、今までストレスチェックを受けたことがない方はぜひお試しを!
みんなどうしてる?介護職のストレス解消法
最後に、介護職の方が、仕事や職場で感じたストレスをどう解消するかについてご紹介します。
- ウォーキングやジムなどで体を動かし、汗と一緒に嫌なことも流す。(22歳/男性)
- 趣味の手芸やDIYに没頭。レクリエーションにも生かせるし一石二鳥♪(26歳/女性)
- 利用者さんやご家族からいただいた絵手紙やカードを見て癒される。(30歳/女性)
- 仕事終わりや休日に介護職以外の友達と会って遊び倒す!同僚と愚痴を言い合うより、楽しい時間を過ごしている方がスッキリする。(25歳/男性)
みなさん、思い思いのストレス解消&リラックス法を実践されているようですね。
また、職場でできるストレス解消法としては、深呼吸やストレッチなどで体をほぐしたり、日光にあたるようにするなどがあります。
他にも、利用者さんからの感謝の言葉や、仕事で出来たことなど、自分にとってプラスになることをメモしておくことも効果的です。
このように、仕事や職場にストレスを抱えている方も、「私は介護職に向かない人なのかも…」「辞めたい」と思い詰めるのではなく、自分なりのストレス解消法を見つけてはいかがでしょうか。
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