ケアお役立ち情報
2015年10月14日
軽費老人ホームとは
軽費老人ホームとは?
軽費老人ホームとは、家庭環境など何らかの事情により家族との同居が困難である高齢者、もしくは身寄りのない高齢者が入所する施設です。種類としては、軽費老人ホームA型、B型、ケアハウス(C型)に分類されます。
このうち、A型、B型はいずれも、基本的な入所基準が60歳以上の方か、もしくは夫婦のどちらかが60歳以上である場合が対象で、入所者の介護レベルは自立~軽度の要介護状態と、比較的介護度の軽い方を対象としています。 日常的な動作を自立して行うことができる方、共同生活を行う上で他者への配慮ができる方がこれに相当するため、軽費老人ホーム施設職員は、施設内の清掃や生活上の一部サポート、A型では食事の提供などを行いますが、身体介護サービスは基本的に提供しない施設となっています。
よって、要介護度の高い方、認知症を発症している方は入所できない場合も多く、また入所後にそのような要介護状態となった場合には、軽費老人ホームの退所、他高齢者入所施設への転居を余儀なくされることもあります。
このA型、B型に対してケアハウスでは少し施設の在り方が異なります。
ケアハウスは、基本的な入居条件は上記A型、B型と同じなのですが、施設がバリアフリー設計になっており、車いすでの移動が可能です。
よって、一部身体介護が必要な場合であっても認知症などを発症しておらず、他者との共同生活を送る上での配慮が可能である場合は入居が認められるケースも多くあります。
また、ケアハウスへの入居は居宅扱いとなりますので、ケアハウス内での生活を維持しながら居宅介護サービスを併用することが可能となります。
よって、入居後に身体機能の低下に伴いより生活上のサポートが必要になった場合にも施設職員と相談しながら上手に外部サービス事業所を利用し、今ある生活を維持することができる点が魅力と言えます。
さらに、最近では、要介護1以上の認定を受けている方でも入所可能な“介護型ケアハウス”も誕生してきています。介護付きケアハウスは、外部事業所と併用することなくケアハウス内で特別養護老人ホームと同等な介護サービスを受けることができるため、近年では身体介護を必要とする高齢者に人気の施設となっています。
また、国の方針としても従来から存在している軽費老人ホームA型、B型のが、身体介護を必要とする身寄りのないお年寄りの受け皿になり辛い現状を踏まえ、2008年からケアハウスへの建て替え、統一を推進しています。よって、今後は軽費老人ホームA型、B型は減少していくものと推察されますので、軽費老人ホームへの就職を希望される場合はその点を踏まえ、ケアハウスへの就職を考えられた方が良いのかもしれませんね。
また、既存の軽費老人ホームA型、B型が今後増設されることはないため、現在の入居者は高齢化が進み、入居当時は60代であった人も70代、80代と施設内での高齢化も創設当時より進んでいる現状があります。その点を考慮して、単純に比較的元気な高齢者が入居している施設と甘く考えないようにしたいですね。
軽費老人ホームの事業主体について
業務内容としては、自立した生活を送れることが前提なので、食事準備や入浴などの生活支援、施設内清掃、行事企画や話し相手など身体介助が少なく、職員にかかる身体的負担は他の高齢者入居施設と比較すると少なく感じられるかもしれません。
ケアハウスに関しては、要介護者の受け入れを行う軽費老人ホームという位置づけですから、A型、B型と比較すると日常生活援助に加え、身体介護サービスも提供する場面が多く、一般的な高齢者入居施設での勤務と同等と想定して就職を検討されるのが好ましいと思います。
勤務形態としては、日勤・夜勤などを時間差でシフトを組み、4交代や5交代(日勤の早出や遅出などを含む)が一般的です。
中には基本給が下がるものの日勤専従での正規雇用をしている施設もありますので、しっかりとリサーチする価値がありそうですね。
また、パートタイマーは日勤のみであることが多く、子育て中など、どうしても夜勤ができないという場合、非正規雇用になりますがパートで働くという選択も可能です。
さらに、軽費老人ホームの場合、職員の配置基準を満たしていれば、介護職員が必ずしも資格所有者である必要がないため、介護未経験者、無資格者であっても介護助手として就職することが可能です。
実際、未経験者歓迎と求人広告を出している施設もありますので、介護業界への転職を考えている方には一歩踏み出しやすい施設であると言えそうです。