超高齢化社会における外国人介護士の立ち位置
日本の介護の現場における人員不足は、近い将来危機的な状態に陥るとされています。
少子高齢化社会が急速に進む中、介護職は一人にかかる負担も大きく、体力的に厳しい反面給料は見合わない安さという事も有り、離職率が高まる一方です。
そんな中、日本政府は2008年から次々とアジア諸国と協定を結び、介護士?看護師の受け入れを始めました。
国家資格に合格すれば、日本で就労する事が可能になります。
ただし、資格を取得出来なければ帰国しないといけない上に、試験は全て日本語で内容は日本人が受験するものと同じであり、合格率は50%程度となりますので、その難関を突破して日本で働く彼らは相当に勉強熱心であり志の高い方なのです。
ところが、未だ日本人には大きな勘違いがあると言われています。
それはアジアの貧しい諸国から出稼ぎに来ている彼らに大しての偏見です。
介護という仕事について考えてみると、人間性、ホスピタリティ、お年寄りを敬うという心が何よりも必要で、それが無ければ、厳しい介護という仕事を続ける事は困難です。
外国人介護士と日本人利用者の意識のズレ
例えばフィリピンの方は大家族で育ち、お年寄りを敬う気持ちを自然と兼ね備えており、その明るさや優しさは世界でも認められています。
施設内でも、素直で明るく温かな笑顔で和ませてくれて、尚かつ一生懸命に働く彼らは非常に貴重な存在と言えるでしょう。
私達日本人が出稼ぎの彼らを使っているという感覚ではなく、日本語も堪能で介護における持ち前のセンスとスキルを兼ね備えた彼らに働いてもらっているという感覚が必要なのですが、高齢者の中にはまだまだ偏見があり、外国人に世話をしてもらう事を拒否する方もいらっしゃるようです。
これは大きな感覚のズレであり、日本の介護に関わる方全員が自覚して見直していかなければならないと言われています。
超高齢化社会にとってなくてはならない外国人介護士
実際、資格取得後に数年働いて、帰国する外国人が激増している事実が有ります。
インドネシアなどでは、日本企業の進出が相次いでおり、日本語が堪能で日本の文化や生活にも慣れた彼らはひっぱりだこだそうです。
更に、一部の高いスキルを持った達したエキスパートは先進国各国から、必要とされる人材となってきています。
もう、何が何でも日本で働きたいという時代ではなくなってきており、彼らが働き方や場所を選ぶ時代となっているのではないでしょうか。
資格を取り日本語をマスターした後も、ずっと日本で働きたいと思ってもらえるような抜本的な改革がまだまだ必要です。
日本においては施設に入りたくても入れないお年寄りが多いのが現状で、見つかったとしても非常に高額で一般市民の方には手が届かない施設しか残っていないなんて状況も起こっています。
外国人介護士の方はこれから間違いなく訪れる超高齢化社会においては、なくてはならない存在と言えるでしょう。