ガイドヘルパーとは?
「ガイドヘルパー」とは移動介護従業者のことを指し、各都道府県知事の行う研修を修了した者が有する資格取得者のことをいいます。「ガイドヘルパー」は外出介護員とも呼ばれ、障害によって1人での外出が困難な方が安全に出かけられるよう、移動介護サービスを提供する資格となります。それは、障害を持つ方々が積極的に社会活動に参加していこうとするうえで重要であり、外出時には欠かせないサービスとなっています。
また、介護系職種として知名度が高い「介護職員初任者研修」を修了した方は知的障害者の外出介助は行えますが、視覚障害者および全身性障害者の方の外出介助は行えず、この「ガイドヘルパー」を持つ場合のみ行うことが出来ます。
ガイドヘルパーの取得方法
ガイドヘルパーの資格は、3種類に分けることが出来ます。
まず、視覚障害を持つ方が外出する際に、ご本人に同行して必要な情報の提供や、移動の援護、食事等の介護や必要とする援助を行う資格である「視覚障害者同行援護従業者養成研修」。
次に、先天的・後天的に身体に障害を持つ方が外出する際、移動の援護、必要な介助を行う資格である「全身性障害者ガイドヘルパー養成研修」。
そして、知的障害または精神障害を持ち、常時介護を必要とする方が行動の際に生じる危険を回避するために必要な援護を行ったり、外出時の移動中の介護などを行う資格である「知的・精神障害者行動援護従業者養成研修」です。
これらの資格は筆記試験などは特になく、1~5日間程度の講座を履修すれば取得することが出来ますが、どれか1つを受講すれば全ての資格があるというわけではなく、講習内容もそれぞれの資格で少しずつ異なってくるため、取得希望者は自身の必要な講習を選択して講習を受ける必要があります。
ガイドヘルパーの活用現場
ガイドヘルパーの職場として主に考えられるのは、各種福祉施設および病院などになります。
ガイドヘルパーの資格は、訪問看護などを実施している介護福祉施設では介護職員初任者研修の資格と併せて取得している職員は非常に重宝され、さらに、自動車の中型免許も取得していれば、大規模な介護福祉施設で多くの利用者の方を一度に移動させることができ、採用する施設側からすればとても有難い人材になります。
ガイドヘルパーのみの資格だけでは、介護福祉関係施設への就職に有利であると言い切ることは出来ませんが、4人に1人が65歳以上の高齢社会に突入した日本では、多くの介護業務に従事できる人材は非常に貴重な存在となっています。
ガイドヘルパーの今後
ガイドヘルパー養成講座では、現在介護職に従事している人、これから介護職に従事したい人、今の介護とは違う視点で関わりたいと考える人などが、講習に参加する場合が多くなっています。
講習をしてくれる講師の方々も同じような考えや経歴を辿っている方が多く、講習中に自身の現場体験談である嬉しかったこと楽しかったことを盛り込み、受講者が少しでも楽しく受けられるようにしてくれています。
また、ガイドヘルパーとしての仕事が始まってからも、依頼をしてくださった方と一緒に様々な所に出かけます。生活に必要なスーパーやレストラン、その他にも美容室、公園、映画館、プール、ボーリング場などの娯楽施設にも行きますし、あるガイドヘルパーはUSJやディズニーランドに行ったりもすることがあります。
このように利用者の方の生活だけでなく、社会参加を積極的に増やしていくきっかけ作りにも非常に深く関係しており、利用者の方々に明るく楽しい生活を提供できているかどうかが目に見える形で表れてくれるため、ガイドヘルパーは仕事にやりがいを求める方にとっては、非常に良い職業といえるのではないでしょうか。