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2015年08月07日

高齢者の疾患について

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高齢者の疾患について

加齢に伴う老化は、生きていく以上避けられないものであり、様々な身体機能が障害される進行性の現象です。老化には生理的な老化と病的な老化があり、生理的な老化は老眼のように誰にでも起こってくる現象のことで、病的な老化は環境要因や疾病によって機能低下が促進された状態のことであり、個人差が生じてきます。加齢に伴って様々な身体機能の低下がみられると述べましたが、その進行速度もそれぞれ異なってきます。例えば、糸球体濾過率や腎血流量に代表される腎機能や、肺活量や最大換気量に代表される肺機能などの分野は加齢の影響を色濃く受けて急速に低下しますが、神経伝達速度や基礎代謝率はゆるやかに低下するなどの違いもあります。
 上記のように、老年期になると各種身体機能と呼び脳が低下してきて、老年期特有のいわゆる老年病が出現しやすくなります。それは、多くの臓器に機能低下・減弱が存在するため、ある臓器が悪くなると次々と他の臓器に波及し、合併症が出現しやすくなるという特徴を持ちます。また、症状が修飾されたり、出現が見えにくかったりと非典型的となり、一度生じると回復が遅いという特徴もあります。老人にとって比較的特徴的な疾患は、例えば、神経疾患では「脳血管障害」「パーキンソン病」「うつ病」、循環器疾患では「高血圧」「狭心症」「心筋梗塞」「不整脈」「心不全」「閉塞性動脈硬化症」「大動脈瘤」、腎・尿路疾患では「腎硬化症」「糖尿病性腎症」「前立腺肥大症」、呼吸疾患では「肺炎」「肺塞栓」「肺癌」「肺結核」、消化器疾患では「食道裂孔ヘルニア」「肝硬変」「胆石症」、内分泌疾患では「甲状腺機能低下症」「痛風」「糖尿病」「肥満」、運動器疾患では「骨粗鬆症」「変形性関節症」「関節リウマチ」、感覚器疾患では「白内障」「難聴」、皮膚疾患では「慢性湿疹」「帯状疱疹」、口腔内疾患では「歯肉炎」などの疾患が挙げられます。これらの中でもより出現頻度の高い疾患を少し詳しくご紹介していきたいと思います。

【うっ血性心疾患】

加齢に伴う動脈硬化による冠状動脈の狭小化は、心筋虚血の状態をもたらしてしまうことになります。特に高血圧を有している高齢者は、加齢とともに心拍出量と脈拍数が低下し、少しの運動ですぐに息切れや動悸が生じてしまいます。
うっ血性心疾患とは大きく左心不全と右心不全とに分けることが出来ます。まず、左心不全の症状としては、咳・痰・呼吸困難・湿性ラ音(呼吸する際に湿った音の入った呼吸音が聞こえること)・チアノーゼなどが代表的であり、右心不全の症状は浮腫・尿量減少・腹水・胃腸機能障害などが代表的なものとなり、どちらの場合においても悪化してしまうと、脳循環低下をもたらすことにつながってしまいます。改善策としては、根源である動脈硬化の状態を投薬や生活習慣改善によって良くしていくことが1番とされています。

【慢性閉塞性呼吸疾患】

慢性閉塞性呼吸疾患は、老化現象の中でも喫煙との関連が深く、今後の高齢化に伴って増加していくことが予測される疾患の1つです。症状としては、喘鳴・易疲労感・呼吸困難・咳・痰などの症状が加わり、呼吸中枢の機能低下が生じて、酸素を肺に取り入れても正しく全身に行き渡らせることができずに換気障害をおこしてしまう疾患です。改善法としては、体位ドレナージを用いて、各種の体位変換によって重力の影響が少ない方向にして、痰の排泄を促すことを指し、その体位で叩打・振動を与えることによって、症状の悪化を防ぎます。

他にも様々な高齢者の疾患がありますが、基本的な予防方法としては、まず食事改善と運動であるといえるでしょう。身体の求める栄養やエネルギー消費量は加齢に伴って着々と変化していきます。その変化をきちんと捉えてそれに合う生活を心掛けていれば、健康的で豊かな老後生活を送ることが出来るでしょう。