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2015年07月21日

高齢者の脱水症状について

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高齢者の脱水症状について

人間の身体が多くの水分でできていることは一般的に広く知られていることですが、では、実際にはどの程度の割合なのでしょうか。
平均的に成人においては体重の約60%、胎児においては約90%、新生児においては75%、子供においては約70%、高齢者においては約50%の割合が水分で構成されていますが、一言で体内の水分量といっても、細胞内液と細胞外液の大きく2種類に分けることが出来ます。基本的にどの年代においても、身体中に存在する細胞の内にある水分は、体内水分量の約3分の2を、細胞の外にある水分量は約3分の1を占めています。この水分は血液濃度を調整したり、身体中に栄養や酸素を隅々まで届けたり、代謝後に出てくる老廃物を排泄させたり、体温調節で熱を逃がすために発汗として体外に排出したりするなど、様々な役割を担っています。
人間は加齢によって、水分量に関してのみならず、神経系や肺の機能が低下したり、身体の細胞数減少や減弱など、あらゆる機能の低下が生じてきます。また、先ほど述べたように、水分量と細胞というのは深く関係しており、細胞内液が約3分の2を占めているということは、細胞数が減少してしまうと必然的に体内の水分含有量も減少してしまうということにつながり、高齢者は成人に比べて本来持っている水分量が少ないということになります。
体内の水分は発汗していなくても、ただ呼吸をしているだけでもどんどん蒸発していきますが、人間はある一定量の水分が足りなくなってくると「喉が渇いたな」という感覚を生じます。しかし、高齢者はその渇きを訴える中枢の機能が低下してしまいやすく、身体が水分の補給を要求していても、「喉が渇いている」という自覚症状が出にくいため、脱水を起こしやすくなってしまいますし、その脱水症状すら自覚できなくなってくると、周囲が気付いた時には手の付けようがないほど重篤化した後で、手遅れになってしまうというケースが後を絶ちません。このことから、ニュースや新聞などで報道される、夏場に高齢者の脱水による死亡事故をなかなか減らすことのできない要因の1つなのだと思われます。

【脱水症状を見分けるサイン】

基本的に脱水症状が生じてくると、皮膚・口唇・舌・微熱で状態を把握することが出来ます。
例えば、皮膚では、「ハンカチーフサイン」といって、手の甲の皮膚を摘み上げてから離し、皮膚が元に戻るまでに時間がかかってしまうと体内の水分量が足りないというサインになっています。また、口唇や舌が乾燥でカサついてひび割れてきたり、喉の奥がいがいがして痰が絡みやすくなってきてしまうのも水分不足のサインになります。
他にも、風邪をひいているわけでもないのに身体がだるくなってきたり、何となく熱っぽくなってきたり、顔が赤くなってきたりするなどのサインも見落としてはいけない重要なサインとなっています。
これらの症状は自覚できるものもありますが、客観的に見た方が分かりやすいものも多く、普段の様子と何かが違うと感じたら、水分補給を勧めたり、わきの下に濡れたタオルをあてるなどの行動を起こすことが大事になってくるでしょう。

【脱水の予防】

まず、重要なこととしては、1日3食の食事を規則正しくきちんととるということです。
食事は多くの人が水分を摂取する機会であり、夏バテで食欲が落ちてきてしまうと、自然と水分を摂取するきっかけも減ってしまうことにつながります。食事量は減ってもできるだけ「食事をする」という行動を意識して行うと良いでしょう。
そして、発汗がなくても脱水が起こるということを知っておくことも大事です。
先ほども述べたように、呼吸をしている限りどんどん水分は蒸発していくため、脱水は寒い冬の方が重篤化しやすいというデータも存在します。季節に関係なく、水分補給を意識しておきましょう。