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Vol.48

2012年03月03日

2012年度 介護報酬改定

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施設から在宅強化。課題は人材の確保

厚生労働省の諮問機関である社会保障審議会が、小宮山洋子厚労相に答申した2012年度の介護報酬改定案。同案は、ホームヘルパーらが24時間いつでも高齢者の自宅に駆けつける「定期巡回・随時対応サービス」が新設されるなど、在宅支援強化が手厚くされている。

24時間対応型の定期巡回サービスは、介護が必要になっても住み慣れた地域で暮らすことを目指す「地域包括ケア」実現に向けた2012年度改定の目玉。一人暮らしや介護度の重い高齢者に対し、定額負担で定期訪問だけでなく緊急時にいつでもヘルパーらが駆けつける「安心感」が売りだ。厚労省が想定しているのは主に要介護3以上の人の利用で、最も重い要介護5の人は事業者に支払われる月額報酬30万4500円の1割、約3万円の自己負担が必要となる。

今回と同じ目的で2006年度改定時に導入された、夜間の定期訪問をする「夜間対応型訪問介護」は、その都度利用料が必要で、使い勝手が悪かった。業者側の利益が見込めず、現在実施しているのは全国で135事業所。この反省から新制度は定額制とする一方、事業者への報酬は、利用限度額(要介護5で月約36万6000円)に近い金額とした。それでも夜間の急な呼び出しや郡部で対応できる人材をどれだけ確保できるのか、という課題は残ったまま。

加えて、訪問日時や回数などはケアプランに基づいて決められるが、決めるのは事業所側であり、事業者への報酬は定額制となるため、一定以上のサービス提供が事業者側の負担となるケースが生まれてくる。さらに今回は、ヘルパーが高齢者の自宅で掃除や調理をする「生活援助」の料金設定が、今までの「30分以上60分未満」と「60分以上」より、「20分以上45分未満」と「45分以上」に短縮する。事業者にとっては45分を超えれば収入が変わらないので、サービス時間を短くする意識が働く。厚労省は「60分で1日5軒訪問していたのを、45分にすれば6軒以上回れる」と説明し、効率的な運用が可能と強調するが、高齢者には60分以上の利用が難しくなる。厚労省の調査では「平均利用時間は30分前後」だが、ヘルパーが調理と掃除を両方こなす時間がなくなりかねないといった不安も残る。

2011年度の厚労省のモデル事業に参加している社会福祉法人「小田原福祉会」の時田純理事長は「必要なときに必要なサービスを受けられ画期的」と評価しつつ、人材の確保は容易ではないとみる。「国や自治体が責任を持って人材確保にも取り組むべきだ」と指摘する。

(記事出典元:毎日新聞、読売新聞)

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